花は霧島♪煙草は国分というけれど… 過去の映像に見るタバコ産地かごしま
鹿児島放送
1980年代から90年代にかけ、タバコは季節の農作物の話題として、ニュースにも度々登場しています。 1月は、地域の生産者が集まって種をまき、7月に、大きく育ったタバコの葉を収穫。その後、乾燥させる作業を経て、秋にはJT=日本たばこが契約農家から全量を買い取る流れです。 ■JTの買い入れ担当者(当時)■ 「全国的に見ても、過去、今年もだと思いますが、トップレベル、全国一という様な業績が続いている」 かつて、鹿児島を含む九州はタバコの一大産地。鹿児島の温暖な気候に適した「黄色種」は、香りも豊かで最高級品として高く評価されていました。 でも今、おはら節にも歌われた国分地区にタバコの畑は残っていません。県内各地の耕作地も、30年前の10分の1程度にまで減少し、全国的にタバコ農家を取り巻く環境は様変わりしています。 ■県たばこ耕作組合の遠矢忠雄・組合長■ 「やはり喫煙規制の強化が(要因に)あると思う。あと、たばこ増税。それが一番の原因かな」 喫煙規制が強化され、健康志向や相次ぐ増税で、タバコの需要は減少。タバコの葉を使わない電子たばこの普及もあり、JTはタバコ栽培を止めた農家に協力金を支払う廃作奨励を実施しました。 ■県たばこ耕作組合の遠矢忠雄・組合長■ 「(タバコの)原料が余ってきてるということで廃作奨励が2回あったことが一番大きい」 夏場の重労働や、タバコに対する風当たりの強さもあって、高齢者を中心に生産者は減り続けていると言います。 遠矢さんが懸念するのは、そうした農家の多くが、米や野菜など複数の作物を育ててきた生産者で、特に高齢者はタバコ栽培だけでなく農業をやめてしまう人も少なくないのです。 ■県たばこ耕作組合の遠矢忠雄・組合長■ 「大げさに言うと、日本の農業を担う、鹿児島県域の農業を担う存在だと思っている」 食料自給率の面でも農家・農業従事者を今後どう維持していくか、大きな課題です。