井上尚弥いとこの浩樹が“最強DNA”で日本Sライト級王座を豪快TKO防衛!
王座奪取した試合では”辛口”だった尚弥も、今回は、「文句のつけようがない」と認めたのだろう。井上の会見中に遠慮するように何も語らずに静かにそっと控室を出た。 「(前回より)良くなっていますね? 変わらない点もあったと思うんですが、ちょっとの変化は見せられた」 井上も満足気。 大橋会長も「上出来」と言った。 「浩樹の実力を知っているから物足りないと感じていたが、今日は、集中していたし、パンチをほとんどもらっていない。相手には一発の怖さがあったが、浩樹はキャリアで、それがわかっていた。十分なボクシングだった。この2試合は良くなかったけれど、やっとらしさが出てきた。これで上へいける手ごたえをつかめた。グラスゴーで刺激をもらったのが良かったのでしょう」 5月18日に英国グラスゴーで行われた尚弥のWBSS準決勝のエマヌエル・ロドリゲス戦にサポートのため同行した。 「海外経験はいい。いろんなものを見て刺激になった」 メーンは、WBSSのスーパーライト級の準決勝で、地元のヒーロー、ジョシュ・テイラーがIBF同級王者、イバン・バランチク(ベラルーシ)を3-0判定で破った。自らの階級の世界戦を目の前で見て「届かない場所ではないと感じた。やる気が出た」と世界獲りは決して夢の世界ではないという自信を持ち帰ってきた。 ボクシングは、技術がなければ話にならないが、やはりメンタルスポーツである。その自信は、この日のボクシングに反映されていた。 井上はリング上で「ゆくゆくは世界へ」と言い、控室でも「まずは世界ランキング入りをしたい」と目標を掲げた。 減量が厳しく前日計量の時点では「ウェルターに上げたい」と弱音を吐いたが、「調子良かったんで大丈夫そう」とスーパーライト級に留まって上を目指すことも明らかにした。 大橋会長は、「東洋はリッキーか? 岡田選手もいいんじゃないか」と、OPBF東洋太平洋同級王者の内藤律樹(E&Jカシアス)と、トップランクと契約している同級の元日本、WBOアジアパシフィック王者の岡田博喜(角海老宝石)の名前を挙げた。井上は即座に「リッキーとはやりたくない」と笑顔で拒否ったが、今後の視界が広がったことは確か。これでプロ戦績は14勝(11KO)無敗となった。