JAL、那覇から深夜臨時便 A350が30分おき羽田へ3便
日本航空(JAL/JL、9201)は8月17日、那覇空港を深夜に出発する羽田行き臨時便を3便運航した。午前2時30分から30分おきに3便が出発し、午前6時すぎまでに全便が到着した。機材はすべてエアバスA350-900型機で、2種類ある座席仕様のうち現在のJAL機で座席数が最多の3クラス391席となるX12仕様の機材が投入され、臨時便の運航が発表されるとすぐに全便満席になったようだ。 【写真】JALが臨時便に投入したA350-900 X12仕様 ◆2時半から30分おき 早朝の羽田に到着した那覇発の臨時便は、午前2時30分に出発し午前5時着のJL4694便、午前3時に出発し午前5時30分着のJL4692便、午前3時30分に出発して午前6時に到着するJL4698便の計3便。羽田からの地上交通機関が動き出す午前5時以降に到着するように設定した。 実際の発着時刻は、1便目のJL4694便が21分遅れの午前2時51分発で8分遅れの午前5時8分着、2便目のJL4692便は28分遅れの午前3時28分発で14分遅れの午前5時44分着、3便目のJL4698便は18分遅れの午前3時48分発で6分遅れの午前6時6分に到着し、那覇発の臨時便3便はすべて羽田に着いた。 機材は、いずれも前日16日に定期便や臨時便で那覇へ運航されたA350が使用された。16日の羽田-那覇線は、台風7号の影響で羽田発は午前11時3分(定刻は午前10時30分)に出発したJL913便までの運航となり、那覇発は午前7時37分(同午前7時15分)に出発して羽田へ午前9時59分(同午前9時45分)に到着した始発のJL900便のみ運航された。 このため、那覇空港には羽田への折り返し便を運航できなかった機材があり、これらを活用して深夜に臨時便を設定。1便目のJL4694便は16日のJL909便で那覇に到着した16号機(JA16XJ)、2便目のJL4692便は16日のJL901便で那覇に着いた初号機(JA01XJ)、ラスト3便目のJL4698便は16日の臨時便JL4691便で那覇へ到着したで3号機(JA03XJ)を投入した。 臨時便で羽田に戻ったA350は、すでにJA16XJが那覇行き始発のJL901便として午前6時34分に出発し、JA01XJは午前8時11分にJL905便として、JA03XJは午前8時43分にJL907便として、那覇へ出発済み。早朝に羽田へ機材を戻したことは、17日の運航を極力通常通りに戻すことにつながっている。 ◆JAL最多席数のA350 JALのA350-900は、現在16機受領済みで全機が国内線機材だが、1月の羽田事故で13号機(登録記号JA13XJ)が全損となり115機体制で、代替機を2025年度下期に受領する。今回投入された3機は3クラス391席のX12仕様で、標準のX11仕様(3クラス369席)よりもクラスJを38席減らした分、普通席を60席増やし、那覇線など観光需要が多く見込まれる路線を中心に投入している。 羽田-那覇線はかつて、500席クラスの機材が投入されていたが、2クラス546席のボーイング747-400D型機(11年2月20日退役)に匹敵する2クラス500席(クラスJ 78席、普通席422席)の777-300が2021年3月で退役となったことで、A350-900のX12仕様がJALの現行機材で最多座席数となっている。777-300と比べて109席(21.8%)少ないが、臨時便3便で1173人が乗れた計算だ。一方、那覇で足止めされていた乗客全員が臨時便に乗れたわけではなく、那覇から福岡などを経由して帰京する人もいる。 地震と台風に翻弄(ほんろう)された今年のお盆休みは、きょう17日に国内線上りのピークを迎える。
Tadayuki YOSHIKAWA