「トライアウトまでは」 来季戦力構想外のソフトバンク育成4年目・佐藤宏樹 励まされた〝慶応兄弟〟3人からのメッセージ
ソフトバンクから来季戦力構想外を通達された育成4年目の佐藤宏樹投手(25)が「トライアウトまでは頑張ろうと思ってます。そこで一区切りしようかなと」と現状を語った。通告を受けた後もほぼ毎日、筑後市のファーム施設に足を運んでトレーニングを重ねている。14日は同じく戦力構想外となった村上舜投手とキャッチボールなどを行った。 ■まるで映画のワンシーン、球場入りする柳田悠岐【写真】 佐藤宏は慶大から2021年に育成ドラフト1位で入団。プロ生活は長い時間リハビリに費やした。20年のドラフト会議直前に左肘の靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)を受け、1年目は棒に振った。今季も右腹斜筋肉離れでまたもリハビリ組へ。今月7日に球団から来季の戦力構想外であることを伝えられ、「けがして入ってからけがで終わる4年間でした」と振り返った。 球団から通告を受けた後、ショックからか2日ほど熱っぽさが続いた。「体は熱いのに寒気がした。体を動かさなきゃいけないのになかなか動かなかった」と部屋に閉じこもった。ただ、SNSの投稿や記事を見て、たくさんの友人たちが連絡をくれた。その中でも何より励みになったのが、柳町達、正木智也、廣瀨隆太ら慶大出身のチームメートたちからの言葉だった。球団から通告を受けた旨を4人のライングループで伝えると、「おまえならできる。頑張れ」「まだまだいける。力はこんなもんじゃないから」「絶対大丈夫」といったメッセージが届いた。「3人とも忙しいのに長文でメッセージをもらいました。うれしかったですね」。球団関係者らにあいさつを済ませた後、再び体を動かし始めた。 通告を受けてからちょうど1週間が経過するが、まだ他球団からの連絡はない。「来ないものだと思ってトライアウトまでやるので」と佐藤宏。25歳左腕の口調はさわやかだった。「クビになってからっていう言い方もおかしいですけど、リハビリの時は気持ちが落ちることもあったので、どんどん痛いマインドになっちゃってて全然けがしてないのに『肩が痛い』みたいになっていた。でも今なってバンバン投げられるという感じですね。あまり何も気にしないで、トライアウトが本当に最後だと思って、そういう気持ちで練習してるので、しなきゃしなきゃって感じになっていない。とりあえず今のまま継続してダメだったらしょうがないぐらいの気持ちで。でももちろん野球は続けたいとは思ってる」。トライアウトは11月14日。残り1カ月、悔いの無い日々を送る。(大橋昂平) 【#OTTOホークスファーム情報】
西日本新聞社