<プロ野球速報>中日・山本昌が突き指でわずか22球の緊急降板
中日の山本昌投手(49)は9日、ナゴヤドームで行われたヤクルト戦に今季初先発したが、1回一死二、三塁から畠山の右犠飛で1失点すると、2回先頭の大引に3球を投じた時点で左手の人さし指に異常を訴えて緊急降板。日本のレジェンドサウスポーの世界最多勝利記録はならなかった。 山本昌が帰ってきた。「ピッチャー・山本昌」がコールされるとナゴヤドームは大きな拍手が包まれた。50歳の誕生日の2日前。プロ32年目、580試合目の登板。もちろん、今季初登板、昨年9月23日の巨人戦以来の登板となる。 ヤクルトのトップバッター、比屋根へのその初球。伝家の宝刀、スクリューでストライク。追い込んで最後も外のスクリューでスイングアウト。三球三振でスタートを切ったが、川端を四球で歩かせ、続く山田には、三遊間を破られた。続く畠山の初球に変化球がワンバウンドとなり走者を進め、難しいアウトコース低めへの変化球をライトへと打ち上げられた。これが犠飛となり1失点。さらに二死三塁とピンチは続いたが、雄平を130キロの落差の激しいスクリューでスイングアウト。1失点で切り抜けた。 しかし、二回に予期せぬアクシデントが起きる。この回、先頭の大引にボールカウント2-0から、129キロのスクリューを投じた際、ボールはワンバウンドしてしまったが、その直後、山本昌は左手を上げてタイムをとった。投手コーチがマウンドへ。左の人さし指に痛みを訴えた。治療のためベンチへ下がると、そのままピッチャー交代が告げられた。わずか22球での降板となってしまった。 今春は、沖縄キャンプから順調に調整を進めていたが、3月3日の教育リーグのソフトバンク戦で1球を投じたときに右膝に異変を訴えて降板、そこから長いリハビリが始まった。6月18日のウエスタンの阪神戦で復帰すると、7試合で1勝1敗、防護率2.36の成績で1軍切符を手にした。灼熱のウエスタンのゲームでの先発ゲームで5イニング以上を投げて、この日に備えたのだが……。 球団の説明によると、投球の際に左腕を強く振ったときに、右足に左手の指があたり、不運にも左手の人さし指を突き指してしまったという。チームが逆転した4回には、ベンチに戻ったが、指に湿布などもしておらず、そこまで重度な突き指ではなかった様子。今後、登録抹消するかどうかについては、指の回復状況を見ながら判断されるようだが、残念ながら、ジェイミー・モイヤー(当時ロッキーズ)が2012年に記録した49歳と180日を抜く、世界最年長勝利記録は次回登板へお預けとなった。