名物シシャモずし45年の歴史に幕 北海道むかわの老舗「大豊寿司」17日閉店 休漁続き客激減
北海道胆振管内むかわ町の名物シシャモずしの老舗「大豊寿司(ずし)」が17日に閉店し、45年の歴史に幕を閉じる。「鵡川ししゃも」のブランドで知られる同町産シシャモは2年連続で休漁したため、むかわでシシャモは食べられないというイメージが広まり、町外客が激減した。2代目店主の鈴木佑介さん(38)は「閉店は心苦しいが、逆風が大きかった」とうつむく。
店は1979年、初代店主の前川豊さん(80)が開業。当時は町内でシシャモを生で食べる習慣はなかったが、他店の料理人仲間と調理の試行錯誤を重ね、数年後にシシャモずしの本格提供を始めた。漁期の10、11月しか食べられない名物となり、毎年秋に道内外から多くの客が訪れるようになった。苫小牧市ですし職人をしていた鈴木さんが前川さんから技術を学び、2015年に店を継いだ。 シシャモの資源は年々減少し、鵡川漁協(同町)の漁獲量は17年の72トンから22年は64キロに減少。同漁協は23、24年、資源回復のため休漁した。大豊寿司は十勝管内広尾町産などのシシャモですしを提供したが、書き入れ時の今年10月は来客が休漁前の3分の1ほどに落ち込んだ。