<ビリオン×スクール>江花松樹Pが、山田涼介の魅力を語る「役者としても、人としてもすごいなと思っている」
山田涼介が主演を務めるドラマ「ビリオン×スクール」(毎週金曜夜9:00-9:58、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)。本作は、日本一の財閥系企業のトップであり“億万長者=ビリオネア”の主人公・加賀美零(山田)が、身分を隠して学校の教師となり、さまざまな問題に直面しながらも、生徒と共に成長していく学園コメディー。加賀美は、私立絵都学園(しりつえとがくえん)で「やる気ゼロ、才能ゼロ、将来性ゼロ」の生徒が集められた3年0組、通称“ゼロ組”の新しい担任として赴任する。このたび、WEBザテレビジョンでは、プロデューサーを務める江花松樹氏にインタビューを実施。キャスティングについてや、キャラクターの誕生秘話、ドラマを作る上で大切にしていることなどについて語ってもらった。 【動画】山田涼介“加賀美”が、松田元太“紺野”に銃を向ける…「ビリオン×スクール」第3話予告映像 ■学園もので先生の立場の3人を見られるのはパワーがある ――現在2話目まで放送が終わりましたが、反響はいかがですか? 好意的なものが多いというか、「久々にこういう学園ものを見た」といった声が多くて、そこを狙ってはいたので素直にうれしいです。「3年A組-今から皆さんは人質です-」(2019年)がヒットして以降、それに乗っ取ったものが多いのかなという時に、「もう1発こういうのはどうだ!」 と立ち上げたものだったので、「久々にこういう作品が出てうれしい」という声が大きかったのが、反響のうれしかった点かなと思います。 ――山田さん、神木隆之介さん、志田未来さんのキャスティングに関して教えてください。 すごい個人的な話なんですけど、あの3人と僕は同い年で。 GP帯でのプロデュースも今回が初で、同世代でやりたいっていうのはチームもそうなんですけど、 かなり強く思っていました。 主演の山田さんは、学園コメディーでやりたいっていう時にいろいろと理由があってお声がけしました。そうなった時に、「探偵学園Q」(2007)で同級生を演じた3人が、学園もので先生の立場で3人っていうのは1個パワーがあるなと思ったので、 同世代で固まってやれたらと着地しました。 ――3人のそれぞれの演技をご覧になってはいかがですか? それぞれ色があって、子役から出て、全員今第一線で活躍してるって相当な奇跡だと思うので、それが集結した時のパワーはかなりあります。演出面でもそうなんですが、フィクションだけじゃなくて、いろいろなリアルを入れている作風ではあるんですよ。それの1個のリアルが同級生だと思っていて。 山田さんと神木さんのシーンで、1発目で100パーセントの熱量でお芝居が出てくるっていうのは、そういう役柄だとか、彼らの演技の上手さがとかを超えて、単純に同級生として20年近く付き合ってきた仲だから出るんだなって感じています。 ■生徒役のキャスティングの軸は「自分たちの作った役にちゃんと合ってるか+熱量」 ――生徒役のキャスティングや、オーディションで軸にしていたことなどはありますか? なんとなくの役は作っていたので、1番はお芝居が合う合わない、というところです。その人がその役に近いことが1番のリアリティーだと思うので。1番わかりやすいのは松田元太ですね(笑)。 自分たちの作った役にちゃんと合ってるか、もしくは合わせに行けるかというところと、あとは熱量です。今回、山田さんと木南(晴夏)さんのシーンはもちろんですが、生徒のお芝居で持って行っているシーンが多くて、面白いと言ってもらえる理由は、そこにあると思っています。 ――実際に撮影されて、特に熱量を感じた方や、お芝居に驚かされた方はいらっしゃいますか? 上坂樹里ちゃんはすごかったですね。 かなり難しい役だろうなと思っていて。現場でも苦労はしていたんですけど、本番でしっかり決めてきて、「この子はすごいかもな」と思いました。 1話の(水沢)林太郎や、3話の(柏木)悠くんや元太も、全員かなりの熱量で正面から体当たりしてきていて、そこは視聴者の方にも見てほしいです。 ――同世代の方が多い現場の雰囲気はいかがですか? めちゃくちゃ楽しくて、本当に学校みたいな感じです。同世代が多いので、生徒は和気あいあいとやっていますし、1番いいなと思ったのは、生徒たちがかなり感化され合っているところです。 1話見て「林太郎すげえ」、2話見て「樹里ちゃんすごい」ってなるのを受けて、3話の悠くんと元太が「俺頑張んなきゃ」 となってるいるのが、いい意味でのプレッシャーになって、それがかなりいい形で出されています。 ――職員室のシーンの雰囲気は? もうあんな感じです(笑)。 台本いるのかなこれ、と思いながらやっています(笑)。流れはもちろん台本に沿っていますけど、「そこまでやれって言ってないよ(笑)」という仕上がりになる感じです。 ■加賀美零をどんどん山田涼介に寄せていった ――山田さんの役柄の、教師だけど裏の顔はCEOという設定はどのようにして誕生したのでしょうか? 複合的にできているんですが、僕の企画で学園ものをやりたいっていう1個の軸がずっとあって、プラス単純にエンタメを作る時にどういうのが好きかなって考えた時に、すごいやつが正体を隠してなにかやっているって結構王道だし面白いなと思ったんです。 最初は「Undercover Bilionaire」という、お金持ちの社長が自分の会社に特殊メイクをして潜入調査するみたいなイギリスのバラエティーがあるんですが、それを見て、身分を隠して何かをやるっていうのを学園ものでできないかな、と。 アメリカのヒーローとかも覆面でやっているし、 バットマンとかアイアンマンってすごくお金持ちだけど、普通のフリをしてマスクを被って助けてるなとか、 ロビンフッドとかルパンもそうだな…とか。もっと言えば、暴れん坊将軍とかもそうで。これは黄金パターンだなと思いました。 ――そんな加賀美を演じている山田さんに、二面性みたいなものを感じる瞬間はありますか? マジでナイスガイですね。あのスター性で、こんないい人なんだみたいな…。あと、スイッチのオンオフがすごいです。コメディーをやったあとに、ラストシーンの泣きのところに持っていくとか…。役者としても、人としてもすごいなと思っています。 ――加賀美は、アクションもすごかったり、かなり要素が多いキャラクターだと思うんですが、「 山田さんが演じるからこの要素を入れてみようかな」といった、付け足したキャラクター性はありますか? もう全部ですね。全部山田さんじゃないとできないです。アクションとかダンスとか、コメディーとか心情のお芝居とか…。 もちろん企画はあったんですが、キャラクターは山田さんにどんどん寄せていきました。 ■成長していく教師像はなかったと思う ――ドラマの中で要素として大事にしていることはなんですか? ドラマとして大事にしてることは「100年前も100年後も変わらないことを書く」っというのをすごく考えています。「GTO」(1998年)を、この作品をやるにあたって見返すと、今見ても面白いんですよ。多分それって書いてる内容が今も人間の抱えてる問題とさほど変わっていないからなんです。 SNSの闇みたいなものは、この時代を切り取る時代性としてあるんですけど、 生徒や人の抱えてる悩みって根源的なものであるし、そこにアプローチする先生じゃなきゃいけないと思って。熱血や冷徹な教師像は過去にもいたと思います。そんな時にニュータイプを作るというのをすごく大事にしていて、それが今の加賀美です。市井の人たちの考えに触れて彼も成長していく。成長していく教師像ってなかったと思うので、王道だけどかなり斜め上を行く教師像を大事にしています。 ――最後に3話の見どころを教えてください。 紺野(松田)と鈴木(柏木)の会なんですけど、 1、2話の2人のお芝居を受けて本当に気合が入っているので、2人のお芝居、 心情の機微をまずは見てほしいです。彼らが投げるボールの熱量は、絶対に画面の向こうにも届くと思うので、まっすぐキャッチしてあげてほしいです。