ヤクルト、先発候補はいるも…直近5年で規定投球回を投げたのは小川のみ
ヤクルトは近年、先発投手に苦しんでいる。 直近10年で規定投球回に到達した投手を見ると、石川雅規、小川泰弘、既に退団しているブキャナンの3人しかいない。石川が15年、ブキャナンが17年と18年に規定投球回到達と、20年以降の5年間で規定投球回に到達した投手は小川しかいない。21年は規定投球回に到達した投手がいなくてもリーグ優勝し、翌22年も規定投球回を投げた投手は小川だったが、それでもリーグ連覇を達成した。規定投球回に到達した投手がいなくてもリーグ優勝ができたと言われてしまえばそれまでだが、投高打低が進む現代のプロ野球において、計算のできる先発投手が必要なのは間違いない。 小川以外、先発投手がいないかと言われればそうでもない。昨季は吉村貢司郎がチームトップの138回1/3を投げ、9勝8敗、防御率3.19。9月以降は抜群の安定感で、5試合・34回2/3を投げて、4勝0敗、防御率1.04と、今季に向けて期待のもてる投球内容でシーズンを終えた。 21年にリーグ制覇した時にチームトップの9勝を挙げた奥川恭伸、同年4勝をマークした高橋奎二もいる。当時期待の若手だった2人は、奥川はその後故障に苦しんだが、昨季7試合・32回2/3を投げ3勝2敗、防御率2.76の復活の兆しを見せれば、高橋は今ひとつ殻を破りきれないシーズンが続いているとはいえ、昨季は21試合・115回2/3を投げ、8勝9敗、防御率3.58だった。 奥川は故障明け、復帰本格シーズンとなるが、吉村と高橋は開幕からバリバリローテーションで投げれば規定投球回到達にも期待が持てそう。軸となる先発投手が増えれば、打線は得点力があり、上位進出も見えてくる。今季は1人でも多く規定投球回に到達できる投手が出てくることを願いたい。 ▼ ヤクルト直近10年の規定投球回到達者 【2015年】 小川泰弘 168回 11勝8敗 防御率3.11 石川雅規 146回2/3 13勝9敗 防御率3.31 【2016年】 小川泰弘 158回 8勝9敗 防御率4.50 【2017年】 ブキャナン 159回2/3 6勝13敗 防御率3.66 【2018年】 ブキャナン 174回1/3 10勝11敗 防御率4.03 【2019年】 小川泰弘 159回2/3 5勝12敗 防御率4.57 【2022年】 小川泰弘 153回1/3 8勝8敗 防御率2.82 【2023年】 小川泰弘 144回 10勝8敗 防3.38
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