【高校野球ベストシーン’23・長崎編】ノーシード公立校・長崎北の快進撃! 創成館の好投手・福盛を苦しめる
2023年もあとわずか。ことしも高校球界ではさまざまな印象的な出来事があった。各都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。 【動画】24年も逸材が勢ぞろい!今度はロマンある選手が多数?! 【夏選手権長崎大会準々決勝・創成館vs.長崎北】 長崎県の夏の大会は、創成館が5年ぶり3度目の優勝を飾った。5試合でわずか3失点の守りを武器に強さを誇った。そのなかで、唯一延長タイブレークの末に勝利したのが準々決勝。相手は、ノーシードで唯一ベスト8に入った長崎北だった。 長崎北は初戦で圧勝すると、2回戦で鎮西学院を相手に、延長10回タイブレークの末に4対3でサヨナラ勝ちした。10回表に2点を奪われたが、その裏に3点を奪っての逆転サヨナラ勝ち。その勝利で勢いに乗ると、3回戦で大村に勝利して8強に駒を進めていた。 左腕エースの木下 諒投手(3年)は、防御率0.00でこの試合を迎えていた。初戦で先発2回を無失点、2回戦は先発10回3失点も自責は0。3回戦は9回3安打完封。計21回で自責点ゼロの快投を続けていた。この左腕が、創成館との準々決勝でも快投を演じた。 130キロ後半の直球と、カットボールを武器に、凡打のヤマを築く。元楽天、メジャーなどで活躍した福盛 和男投手の息子、プロ注目の福盛 大和投手(3年)と、互角の投手戦を繰り広げる。福盛は6回で降板したが、木下は9回まで投げ抜いて、0対0で延長戦へと突入する。 長崎北は10回表に得点することができず、裏の守りに入る。1死満塁から、木下は遊撃へのゴロに打ち取ったが、創成館がエンドランの作戦を敢行し三塁走者がスタートを切っていたため、本塁へ投げることができず、サヨナラ負け。相手の高度な作戦の前に敗れてしまったが、木下は「防御率0.00」のまま最後の夏を終えた。木下は試合には負けたが、福盛には投げ勝ったといえるかもしれない。 創成館はその後、夏甲子園で1勝を挙げたが、秋からの新チームは初戦で瓊浦に敗れている。この試合のスタメン中、6人が2年生だった長崎北も、秋は初戦で敗れた。ともに悔しさをバネにこの冬を迎えることになる。来年も対戦の日が訪れるならば、さらなる熱戦を期待したい。