高齢になったら「運転免許証」は自主返納すべき? 返納の約60%は「75歳以上」! 維持費などはいくら浮く?
昨今、高齢運転者が原因の交通事故の様子がたびたびニュースなどで取り上げられています。高齢者やこれからその年代を迎える世代の人にとって、運転免許証の自主返納は大きな関心事の一つです。 運転免許証を自主返納すれば、事故のリスクが減るのみならず、車の維持費も大きく減らすことができるなど、メリットも多くあるため、本記事で解説します。
運転免許の自主返納件数は令和4年で40万件以上
警察庁によると、令和4年の運転免許の自主返納件数は44万8476件にものぼります。中でも75歳以上の件数は27万3206件と、全体の約60%です。ちなみに、自主返納制度が導入された平成10年の自主返納件数はたったの2596件、運転経歴証明書が導入された平成14年には8073件でした。 その後、基本的には自主返納件数は増加傾向にあり、令和元年には60万件を超えています。そこから単年の自主返納件数は減ってきているとはいえ、現在も多く人が自主返納をしていると言えるでしょう。
運転免許証を自主返納するメリット
運転免許証を自主返納することで、さまざまなメリットが得られます。第一に、運転手として自動車事故を起こすリスクをなくせます。年齢を重ねるとどうしても身体能力や判断力が落ちますが、車を運転しなければ自動車事故を起こすことはありません。 また、車は保有しているだけでさまざまな維持費がかかります。運転免許証を返納すれば車も不要となり、車を手放せば維持費もかかりません。 とはいえ、これらは自主返納をしなくても、車さえ持たなければ得られるメリットとも言えます。自主返納をすることで得られる、事故や維持費以外のメリットは他にもあります。 具体的には、公共交通機関の割引が受けられる、商品券がもらえる、免許更新の手間がなくなるなど、さまざまなメリットがあります。
運転免許証を自主返納すれば、車の維持費なども40万円以上浮くかも
車の維持費は、車種や運転距離、メンテナンスの考え方などによって異なります。例えば、自動車税や自賠責保険料は、車を所有していれば一律にかかるもので、運転距離によって変わりません。 しかし、ガソリン代や定期的に交換が必要なエンジンオイル・タイヤなどは運転距離によって大きく費用が変わってきます。 今回は排気量1.5リットル、燃費は1リットル当たり15kmの自家用車の場合の維持費について見ていきます。この前提において、1年あたりの維持費は大まかに次のとおりです。 ・自動車税:約3万5000円 ・車検:約6万円(1回あたり12万円が2年に1回とする) ・自賠責保険料:約1万円 ・任意保険料:約5万8000円(毎月4800円の12ヶ月分とする) ・メンテナンス費用:約1万円 ・ガソリン代:約11万6000円(年間1万km走行し、ガソリン単価が173.5円とする) ・駐車料金:約1万円 あくまでも概算ですが、これらを合計すると維持費は年間で29万9000円です。 また、ここでの金額はあくまでも維持費だけで、車の本体価格は含まれていません。仮に150万円の車を購入し、10年間乗ったとすると、1年あたりで車本体の価格は15万円です。 これらを考慮すると、運転免許を返納し車を処分すると、車の維持費と本体で年間40万円以上は削減できる可能性があります。