ラスト1枠の昇格圏は鹿児島と富山の争いに(C)J.LEAGUE

【国内サッカー プレビュー】12月2日に行われる明治安田生命J3リーグ第38節の見どころを紹介していく。 ●【動画】J1昇格PO決勝直前｜東京ヴェルディ×清水エスパルス｜今季対戦ダイジェスト

3月に開幕を迎えたJ3リーグもいよいよクライマックスを迎える。 首位の愛媛FCがJ2昇格とJ3優勝の”ダブル”をひと足先に決めているが、もうひと枠の昇格争いの行方は、最終節までもつれることになった。そのチャンスが残されているのは2位鹿児島ユナイテッドと勝ち点「2」差の3位・カターレ富山だ。最後の最後で昇格を掴むのがどちらになるか。最終節の大きな見どころになる。 優位な立場にいる鹿児島は、勝利すれば自力で昇格を決められる。さらに引き分けの場合は、富山が勝利した時に勝ち点で並ぶが、得失点差で「7」上回れていることから高確率で昇格を掴める立場にいる。ただ鹿児島が負け、富山が勝利した時は勝ち点で上回られてしまうため、富山に逆転を許してしまう。鹿児島は最悪でも引き分け以上の結果が求められる。 5シーズンぶりのJ2復帰を目指す鹿児島は、常にJ3で昇格候補と期待されながらも、あと一歩のところで昇格を逃してきた過去がある。3位で終えた昨季も2位で昇格を掴んだ藤枝MYFCとはわずか勝ち点「1」差で涙をのんだ。今季こそは、昇格圏をキープし、逃げ切れるか。追われる立場としてのプレッシャーとの戦いになるだろう。 前節までは3試合勝ちなしと足踏みが続いていたが、幸いにも昇格圏を明け渡すことなく、最終節を迎えられたのは大きなアドバンテージだ。さらに前節は、FW米澤令衣とFW端戸仁のゴールでアスルクラロ沼津を下し、ホーム最終戦で嫌な流れを断ち切れたことはポジティブだ。ただ対鳥取戦は、連敗中で、前回対戦もホームで0-1で敗れている。さらに鳥取は、最終節を前に連勝中と調子を上げており、5位に位置するチームだ。決して一筋縄ではいかない最終節になることが予想されるが、リーグ最多タイの得点力を武器に、悲願の昇格を掴み取りたいところだ。 一方の富山は勝つしか道はない。引き分け以下ではその時点で昇格の道が閉ざされ、勝利しても鹿児島の結果次第という他力になる。また、7点差以上で勝利できれば、鹿児島が引き分けでも上回れるが、現実的ではない点を踏まえると、勝利した上で鹿児島が敗れることを願うしかない。 2009年にJリーグに加盟し、2014年にJ3リーグが設立されると、その年にJ3へ降格。それ以降は、J3で一桁順位でフィニッシュするシーズンは多かったが、昇格を掴むまでには至らなかった。昇格への道は険しいが、10シーズンぶりにJ2へ返り咲けるか。 前節は、テゲバジャーロ宮崎を相手に、6-0の大勝を収めている。特にFWマテウス・レイリアがハットトリックの活躍を見せ、FW松岡大智やFW吉平翼にもゴールが生まれ、攻撃陣が軒並みゴールをマークした。最終節はY.S.C.C.横浜との対戦となるが、過去14勝3分け1敗と好相性を誇っている。さらにここまで9勝4分け5敗の成績を残し、リーグ内でも4位の数字を残しているホームで、最高の後押しを受けられる。そういった利を生かし、最後の最後で悲願の昇格を逆転で掴み取れるか。 最後は鹿児島が逃げ切るか、富山が逆転でドラマを起こすか。J3最終節から目が離せない。