なつかしの大阪市電車両とトロリーバスが市指定文化財に/大阪
大阪市教員委員会がこのほど新たに17件の文化財を市指定文化財に指定したが、その中に市交通局が保有する市電3両とトロリーバスの計4両が含まれ、鉄道ファンらの間で関心を呼んでいる。 [動画]なんば駅の壁に大きな「ガンダム」登場、通行人ら思わず撮影/大阪
市電3両とトロリーバス1台が指定文化財に
新たな指定文化財になったのは、市電801型801号車、同2201型2201号車、同3001型3050号車の市電3両と、トロリーバス200型255号車。1903年に開業し、69年まで営業していた大阪市電は、商都大阪の隆盛を支える都市交通の重要な役割を担った。市電の3両は戦前戦後の市電黄金期に製造され、それぞれ主力車両として一時代を築いた。
トロリーバスはこの型式では唯一の保存車両
801号車は32年製造で、利用者の増加に伴う大量輸送に、少ない乗務員で対応できるよう、後扉を廃止し左右非対称とした最初の車両だ。2201号車と3050号車は、戦後復興期に登場。2201号車は54年製造のゴム入り車輪を用いた防音車両の先駆けだった。3050号車は56年製造の市電最後の新造車両で、最高水準の無音電車と称された。 一方、トロリーバスは53年9月に運行開始。当初は廃止路線が増える市電の代替交通として機能したが、道路の混雑とともに効率が低下し、70年6月廃止となった。255号は56年式の200型車両で、トロリーバス唯一の保存車両でもあり、都市交通史をひもとく上で資料的価値が高い。
森之宮、緑木両検車場などで保存
市電車両801号車、同2201号車、トロリーバス255号車の3両は森之宮検車場(城東区)、市電車両3050号車は緑木検車場(住之江区)内の市電保存館に保存されている。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)