岐阜市大宮町の老舗料亭「萬松館（ばんしょうかん）」が賃貸契約の期限が過ぎても市所有の土地と建物で営業を続けているとして、市が萬松館に土地と建物の明け渡しなどを求めた訴訟の第1回口頭弁論が岐阜地裁（北川幸代裁判官）であった。被告側は請求棄却を求め争う姿勢を示した。 　訴状などによると、市と店は1945年から、期間を定めない賃貸契約を締結。その後、店を経営する会社が設立され、同様の契約を続けていた。しかし2014年2月からの契約では、期間を10年間として更新せず、契約期間終了後に土地と建物を市に明け渡すとしていた。 　市によると、賃貸契約は今年2月14日に終了。同月15日から明け渡しが済む日までの賃料1カ月100万円も請求している。 　萬松館側の代理人弁護士は「10年前の賃貸借契約の見解に相違があった」と説明。萬松館の一連の建物群には住居が含まれており、「定期建物賃貸借」への切り替えが認められないとし「占有権原がある」と強調した。