埼玉栄高グラウンドで車横転 助手席の17歳生徒が死亡 運転の生徒は無免許
さいたま市西区の私立埼玉栄高校のグラウンドで16日午後11時半ごろ、同校2年生の男子生徒3人が乗った車が横転した。助手席の生徒(17)が頭を強く打ち、病院に搬送されたが死亡した。運転した生徒(16)と後部座席にいた生徒(17)にケガはなかった。埼玉県警は運転した生徒が無免許だったとし、自動車運転処罰法違反(無免許過失致死)などの疑いがあるとみて事故の状況を調べている。 県警によると、車はグラウンドの地面を整備するために置いてあった。ナンバープレートがなく、グラウンド脇ののり面に乗り上げ、助手席を下に横転したとみられる。事故の約10分後、運転した生徒が「車のドアに首を挟まれた」と119番した。3人は同校の寮で暮らしており、それぞれ別の運動部に所属。「午後11時ごろから走っていた」と話しているという。 交通法に詳しい高山法律事務所の高山俊吉弁護士は「学校の敷地内だとしても道路とみなされることが多く、道路交通法が適用されるケースがある」と指摘した。事件の報道を受け、ネット上では「学校のグラウンドのような私有地であれば無免許運転は問題にならないのでは?」という声が広がっているが、これは間違った認識だという。道交法が適用される「道路」とは、(1)当該の場所に車が入ることを禁止されていない、(2)実際に普段から車が入っている、の2点。この条件から校庭や神社の境内なども道路とされる場合があると説明した。 高山氏は横転した車にナンバープレートが付いていなかったことも問題視。「道路運送車両法では、車両にナンバープレートを付ける決まりになっている。横転した車はいわゆる欠陥車両。学校側は別の罪に問われかねない」とした。学校側には今後、車や車の鍵の管理方法や、日常的に誰が運転し、どのように使われていたのかも含め、説明が求められそうだ。