安全で堅実な投資対象となる「超優良企業」は日本に15社しかない…株価が下がっても安心な投資の始め方
私は株式投資が大好きですし、お金を増やすための重要なツールだと思っているのですが、その反面、「株価なんていつどうなるのかわからない面が多いし、有名企業だってつぶれることもある」とも思っています。でもだからといって、「わからないし怖いから、株式投資なんてやめておこう」とは全く思いません。 株価がめちゃくちゃな動きをせず、財務内容を見てもどう考えてもつぶれないような超優良企業だけを選んで投資すれば、安全で堅実な株式投資ができるのです。 ■ステップ2 投資対象企業を高配当な15社にしぼる 次に、前述の約230社の中から「2023年末までの過去15年間にわたって安定的で高水準の配当を支払っている企業」をしぼり込みます。 各企業の配当履歴は、企業のIR情報に基づいて調べます(「IR」はInvestor Relationsの略で、「投資家に伝えるべき情報」という意味です)。「安定的で高水準の配当」というのは、次のように定義します。 ---------- ・過去15年間にわたって一定の金額を配当として支払ってきている または、 ・リーマン・ショック直後の時期(2008年と2009年)とコロナショックの時期(2020年と2021年)を除いて、減配した年度が2会計年度以上なく、かつ、配当額が横ばいか増配傾向にある ・原則として、配当利回りが「3.75%」以上ある ---------- 「配当利回りが3.75%」というのは、概(おおむ)ね「税引き後で3%」を意味しており、それを「高水準の配当」の目処としています。2024年2月2日の時点で私が調べた限りでは、さきに述べた「国際優良企業群」及び「財務優良企業群」の中で、この条件を満たす企業は15社です。安定的に高水準な配当を支払ってきているその15社を、配当利回りが高い順でまとめました(図表1)。
■ステップ3 「買いの目標株価」と「ナンピン買いの目標株価」を決める 次に、投資対象企業(15社)の「買いの目標株価」と「ナンピン買いの目標株価」を決めます。それぞれ、過去5年分の株価チャートを見て決めていきます。 「買いの目標株価」は「1年に1度か2度付く安値」を目処とします。そして「ナンピン買いの目標株価」は、「5年に1度か2度付く安値」を目処とします。「買いの目標株価(最初の買い値)」から1~2割程度下がったところが「ナンピン買いの目標株価」になることが多いです。 なお、「5年に1度か2度付く安値」を見つける際には、「コロナショックの時期の安値」は除きます。2020年3月中旬前後に付いたコロナショックの時期の安値は「異常な安値」なので、それは度外視するのです。 ただし、これだけではシンプル過ぎます。このシンプルな方法で「買いの目標株価」と「ナンピン買いの目標株価」を見つけたら、その株価で「PBR(株価純資産倍率)」と「配当利回り(一株あたり配当金÷株価)」を計算します。 なぜここで「PBR」の値と「配当利回り」の値を見るのかというと、これらの指標は「株価の下支えとなる水準」を示すことが多いからです。そして、ここで「PER(株価収益率)」の値を参照しない理由は、「PER」の値というのは、年度によって大きなブレが起こりやすく、株価の下支えとして機能しないことがあるからです。 そして、企業ごとの「過去の安値」における「PBR」の値と「配当利回り」の値が求められたら、株価チャートを見て決めた「買いの目標株価」と「ナンピン買いの目標株価」が、その「過去の安値」と比べても、「PBR」の値と「配当利回り」の面から見て遜色(そんしょく)がないかどうかを確認します。 このように、企業ごとの「過去の安値におけるPBRの値と配当利回りの値」を求めるのは、けっこう手間がかかります。しかしその手間を惜しんではいけません。世の中に「ラクに儲(もう)かる方法」などないのです。この過去データの調査はしっかりと手間をかけましょう。 こうして、過去の安値の事例と比較しながら「買いの目標株価」と「ナンピン買いの目標株価」の「PBR」の値と「配当利回り」の値に遜色がないことを確認し、「買いの目標株価」と「ナンピン買いの目標株価」を決めます。