【阪神】佐藤輝明、広角打法でアーチ量産へ「逆方向に強い当たりを」中堅から左方向へ柵越え連発
掛布打法でアーチ量産だ! 阪神の秋季高知・安芸キャンプ第2クール最終日の11日、佐藤輝明内野手(25)が、中堅から左方向への柵越えを連発した。13本の内訳は左翼2本、左中間5本、バックスクリーン5本、右中間1本。これまでの引っ張り中心から一変、広角に飛ばす大変身だ。甲子園の浜風に乗せて左方向へのアーチを量産した掛布雅之をほうふつとさせる新広角打法に手応えをつかみ、5年目の大爆発を目指す。 【写真】サブグラウンド方向の草地へ着弾した、佐藤輝の打球を指さすスタッフ ◇ ◇ ◇ ランチ特打最後の47スイング目。佐藤輝が規格外のパワーで、安芸をどよめかせた。完璧に捉えた一撃はバックスクリーンを越える特大の場外弾。打球は道路をまたぎ、サブグラウンド手前の草地に着弾した。「いいスイングができている。良い練習ができましたよ」。晴天のグラウンドで充実の笑みがはじけた。 引っ張り中心だった背番号8が、別人のような大変身を見せた。バックスクリーン越え弾だけでなく、ランチ特打で柵越えした9本中8本が中堅から左翼方向だった。左翼へ1本、左中間へ4本、バックスクリーン直撃2連発。右方向への放物線は1本だけで、広角にアーチを打ち分けた。 新打法への挑戦について「外の攻めも増えてきた(から)」と明かした。「センターを狙って、ちょっと外寄りはあっち(左中間)に行く」。外角は強引に引っ張ると相手の術中にハマるが、中堅から逆方向を意識してしっかり押し込めば伸びる。佐藤輝のパワーがあれば柵越えできる。特打後のフリー打撃で放った4本の柵越えも左翼へ1本、左中間へ1本、バックスクリーン直撃2本とオール逆方向。その意識はシーズンに比べても「強いかもしれないですね」とうなずいた。 プロ4年間で放った84本塁打の内、6割以上の54本が右中間から右方向。中堅から左方向は約3割にとどまる。だが、広角打法を身につければ、今季16本からの本塁打増に期待が膨らむ。左打者にとって、引っ張った打球が伸びない甲子園の浜風は難敵だが、風が吹く左翼方向に打ち上げれば打球は伸びる。かつて、掛布雅之は浜風を利用して逆方向を狙い、本塁打を量産。3度のキングに輝いた。佐藤輝も「逆方向に強い当たりを」と気合十分だ。 打撃の進化を目指し、主力ながら安芸キャンプに参加。第1クールでは新任の小谷野打撃チーフコーチのもと、打球速度アップを意識し、出力を上げる練習に取り組んだ。第2クールは広角打法のマスターに励み、手応えを得た。ノーステップに近い打法も試行錯誤しながら、実りの秋を実感している。パワーアップして、かつ全方向にアーチをかっ飛ばす。真のアーチストへ、ニュー佐藤輝に乞うご期待だ。【塚本光】 ▽阪神小谷野打撃チーフコーチ(佐藤輝について)「今に関して言えば、いい取り組みをしてるんじゃないかと思います。自分なりにいろいろ考えて」