フジテレビ系「とくダネ!」などで活躍した小倉智昭さん死去 全身にがんが転移したのが原因か… 「僕が落ち込んでも、かみさんはいつも『大丈夫』と励ましてくれた」
テレビキャスターでタレント、小倉智昭(おぐら・ともあき)さん(本名同じ)が9日午後に死去したことが10日、明らかになった。77歳だった。詳しい死因は不明。68歳だった2016年5月、当時MCを担当したフジテレビ系朝の情報番組「とくダネ!」で初期の膀胱(ぼうこう)がんを公表。以来、仕事を続けながら入退院を繰り返し8年以上にわたり、闘病を続けてきた。 【写真】日本テレビ復活特番「巨泉のこんなモノいらない!?」収録に参加した大橋巨泉さん、山口美江さん、小倉智昭さん、筑紫哲也さんら=1991年5月 博学と遊び心を土台に、直言居士としても親しまれた小倉さんが亡くなった。最後までテレビやラジオ、YouTubeも含め、仕事に意欲を見せていた。複数の関係者の話を総合すると、葬儀・告別式は近く妻、さゆりさんが喪主となり家族葬で営まれる。お別れの会は未定という。 最後となった地上波テレビの仕事は、11月23日に放送されたフジテレビ系トーク番組「小倉ベース」(土曜後3・0)。小倉さんがMCを務める内容で、この日のゲストは20年以上の付き合いがあるEXILEのHIRO(55)と女優、松本若菜(40)だった。ゲストの2人とは別々に、放送より1、2週間ほど前に収録したという。 がんとの壮絶な闘いは、自らの公表から始まった。小倉さんは2016年5月13日、現在の「めざまし8」の前身にあたる「とくダネ!」に生出演した際、「昨年末に微量の血尿を見つけたので、検査を受けたら、初期の膀胱がんが見つかった」と告白。同月17日に患部の切除手術を受け、23日に番組復帰した。それが最初のがんとの闘いだった。 18年11月には東京慈恵会医科大附属柏病院で膀胱の全摘出と代用膀胱造設手術を受け、21年3月26日をもって「とくダネ!」の放送が終了。1999年4月1日の第1回放送から22年間、硬軟あらゆる分野を扱い、歯に衣(きぬ)着せぬ発言で親しまれた。同一司会者による全国ネットの情報番組として、最多放送回数5646回を誇り、現在も破られていない。 その後、21年夏にフジ系「東京五輪 情報スペシャルキャスター」として五輪情報を伝えたことも。しかし、同年10月4日、がんが肺に転移し「ステージ4」の状態を公表。入院して抗がん剤治療を受けた後、23年12月1日には、膀胱がんの転移による左腎盂(じんう)がんの摘出手術を受けた。その後は肺がん治療で効果のあった免疫力を取り戻す抗がん剤「キイトルーダ」の投与を受けつつ、仕事をこなしてきたが、関係者によると「最後は全身にがんが転移した状況でした」という。 今年2月に出版した公私ともに親しい社会学者で作家、古市憲寿氏(39)との対談集「本音」(新潮社)が話題に。その中でキイトルーダの副作用で体調を崩し生死の境をさまよった22年秋の臨死体験を告白。自らが35歳のとき74歳で死去した父とさんずの川で会い、「俺まだ行きたくないから」と伝えると、父は橋を渡り花園へ消えていったという。以前、サンケイスポーツの取材に「父が死んだ年齢の74歳以上は生きたい」と話していた。