櫻坂46『三期生ライブ』開催の注目点 『新参者』からの成長、新体制を迎える上での重大なポイントに
これまでの公演でも感じられた三期生の存在感
三期生にとって初のアニバーサリーライブである『櫻坂46 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE』では、先輩たちに入り混ざっても、遜色のないパフォーマンスを示した。中でも筆者が息を呑んでしまうほど見入ってしまったのが、初日に披露された山下センター曲「静寂の暴力」だった。「BAN」披露後に静寂に包まれるZOZOマリンスタジアム。中央のステージからメインステージへと静かに歩み出す山下をただ黙って見守っている光景は異様でさえあった。一瞬の静止からピアノのイントロが始まると、これまで静止していた鼓動が再び動き出すようななんとも言えない高揚感を覚えた。メンバーとBuddies(櫻坂46ファンの呼称)で作り上げた美しい瞬間であり、間違いなくこれまでの三期生のベストアクトだったように思う。 2024年には『櫻坂46 4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?-』で初の東京ドームという大舞台を経験した三期生が、自分たちだけで戦う次なる挑戦の場として選んだのが代々木第一体育館だ。代々木第一体育館は、欅坂46時代からグループが何度も立ってきた思い出の地でもある。三期生単独では1万人を超える規模のステージを経験するのは初めてであり、大きなチャレンジと言えるだろう。 『三期生ライブ』で期待したいポイントとしては、『新参者 LIVE at THEATER MILANO-Za』からのパフォーマンスの成長である。そこから三期生楽曲としても、8thシングル『何歳の頃に戻りたいのか?』収録の村山美羽センター曲「何度 LOVE SONGの歌詞を読み返しただろう」、9thシングル『自業自得』収録の向井純葉センター曲「引きこもる時間はない」と期別曲も増えており、表現の幅を増やしてきた。ただ、残念なのは「引きこもる時間はない」でセンターを務める向井、小田倉麗奈が代々木第一体育館公演の欠席を発表していること。11人全員でのパフォーマンスを楽しみにしていただけに、今回の発表は残念でならないが、残りの9人が2人の思いも背負って熱いステージを届けてくれるはず。 9月12日からいよいよ三期生の伝説が始まろうとしている。追加公演となる大阪城ホールは2日間で最大3万2000人を動員できる会場で、三期生単独公演としては最大のキャパとなるわけだが、今の三期生ならば新しい景色を見せてくれるはずだ。
川崎龍也