大分市の「全国豊かな海づくり大会」に天皇・皇后両陛下出席 「森・川・海のつながり再認識」
天皇・皇后両陛下が出席して大分市で10日に開催された第43回全国豊かな海づくり大会の式典では「森・川・海のつながりの重要性を再認識していく」との大会決議が採択された。県は関あじ・関さばといった全国ブランド展開、ヒラメやブリなどの養殖で全国有数の水産物の産地となる一方、地球温暖化などによる急激な海洋環境の変化が懸念されており、大会では県全体で豊穣の海を守っていくことを改めて誓った。 【写真】豊かな海づくり大会で、稚魚を放流される天皇、皇后両陛下 大分県開催は1981年の第1回以来。当時の大会がきっかけとなり、県内一斉休漁日を設けるなど「つくり育てる漁業」を推進してきた。この日は魚食の普及活動に力を入れる漁師の女性やブリの養殖に取り組む男性らが登壇。「未来へつなげよう」と訴えた。 若い世代のメッセージも発表された。同市の大道小2年の中園瑛斗さんは作文コンクールで最優秀賞に選ばれた作品を朗読。絶滅の危機にある魚の存在を知り、「ごみをなるべく出さないよう心がけていく」との思いを披露した。 全日程終了後、佐藤樹一郎知事は取材に対し、「森・川・海のつながり」について「源流の森を大切に守り、川に有害物が流れ込まないようにし、海では魚礁や藻場のような魚の育ちやすい環境をつくっていくことが大事」と強調。養殖についても、魚の生態の解明を進めることでさらに発展させる考えを示した。 (中野剛史)