12月7日から陰気が増える『大雪』。寒暖差で身体に負担がかかるこの時期の対策は「早く寝る」こと?二十四節気別<暮らし方><養生><旬のもの>
◆養生 大雪の養生のポイントは「補腎(ほじん)」「助陽(じょよう)」「温肺(おんはい)」。つまり、冬の臓である腎を守り、肺などの呼吸器系を冷やさないことが大切です。 この時期は10分でも早く寝ることや、いつもより少しでも多く休養することを心がけてみてください。日が沈むのも早いですから“外が暗い=休養”と、意識するのも良いでしょう。 年末の多忙な時期ですが、ある程度の区切りをつけて、家で暖かくしてゆっくりすることを心がけましょう。 また、メンタル面での不安感やストレスに対しては、何より「この時期は、こころが弱りやすい」ということをしっかり認識してください。ポイントは、「まだまだ頑張れる」と自分の健康を過信しないことです。 そして、中医学では「血肉友情の品」といいますが、エネルギー不足の身体に気血を補う動物由来の肉を摂りましょう。疲労が強いときは鶏肉や牛肉がおすすめです。
◆中医学的 大雪の旬のもの ・旬の食材1 牛肉 牛肉は気と血(けつ)(注)を補い、身体を温め、足腰や筋を強くするので、疲れやすい年末年始にピッタリの食材です。ただし、消化の負担になりやすい食材でもあるため、くれぐれも食べすぎにはご注意ください。 鍋やスープなどに入れて“少量をしっかり食べる”ことをおすすめします。牛すね肉をスープにしてもいいですし、牛すじ肉の煮込みなども美味しいですね。 ところで、牛肉が部位によって効能が異なることは、あまり知られていないかもしれません。たとえば、レバーは平性で、血を補い、目をすっきりさせ、アルコールの解毒を助けてくれます。 タンは寒性で、こもった熱を取り、身体の水はけを良くするので、むくみなどに効果的。牛すじは温性ですから、身体を温めて元気にし、足腰を強くします。 また、テールスープなどに使用する牛骨(髄)は、温性で生命エネルギーの根本となる腎を補い、精力をつけ、気を作る肺も元気にしてくれます。 この髄液を栄養ドリンクのように飲むこともあるようですが、これだけ身体を活性化させてくれるので、おそらく精力剤のような効果が期待できるのでしょう。 (注)中医学において「血」は、身体に栄養と潤いを運び、メンタルの安定にも作用する液体です。 ・旬の食材2 しいたけ 生しいたけの本来の旬は春と秋です。生しいたけは牛肉と同じくエネルギー補給をしてくれますが、干ししいたけになると、さらに腎と肝を養うといった効能も加わります。できれば、この時期は積極的に干ししいたけを使ってほしいと思います。 ・旬の食材3 桜エビ 桜エビの旬は、3~6月の春漁と10~12月の秋漁の年2回。エビは温める力と補腎の力が強いので、冷え性の人や体力のない人におすすめ。桜エビと生姜の炊き込みご飯は、干ししいたけで出汁をとれば、香り豊かな養生食に。元気がないとき、胃腸が弱っているときに、ぜひ。 ※本稿は、『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
櫻井大典,土居香桜里
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