お酒を飲むと「気持ち悪くなる」のはナゼ? 意外と知らない理由と「予防・対処法」をご紹介!
急性アルコール中毒の「サイン」に、本人は気付けない
お酒を飲んだ後の嘔吐は急性アルコール中毒の重要なサインで、アルコールを飲み過ぎて体が血流の中のアルコールを処理できなくなった時に起こる、命に関わる危険な症状だ。 「このような深刻な症状の場合、咽頭反射が弱くなります。つまり、吐くと自分の吐瀉物を飲み込んでしまう危険があり、呼吸できなくなるのです」とリー医師。深刻な場合、アルコール中毒が昏睡状態や脳の障害を引き起こし、死に至ることもあります」。 自分や知人が以下のような症状を経験したら、救急治療を受けよう。 ・錯乱 ・嘔吐 ・発作(てんかんなど) ・心拍が遅くなる ・手足や筋肉の動きの調整ができない ・ろれつが回らない ・バランスを失う ・強い眠気 ・呼吸が遅くなる、不規則になる、浅くなったりする ・意識がない ・意識はあるが反応がない ・低体温 正気を失うほど飲むことと、急性アルコール中毒になることは異なるとリー医師は言う。「アルコール中毒は医療的な緊急事態です。こうした症状が起こった本人は、サインに気づくことができないので、友人や家族、通行人の助けが必要です」。 誰かが急性アルコール中毒にかかっていると思ったら、救急車を呼ぼう。「そのまま眠らせておかないこと。体内のアルコール値は最後に飲んでから30~40分間は上がり続けます。できるなら上半身を起こしましょう。できない場合は、(応急処置の)回復体位にして、常に気道が開いているか確認し、暖かくしておくこと。また、絶対にひとりにせず救急車が到着するまで一緒にいましょう」とのこと。
二日酔いを最小限にするためのヒント
吐くことで体は自ら毒を排除している。だから、吐くことを止めようとしないことが大切だ。その代わり、アルコールが処理された後の気分を良くすることにフォーカスしよう。「飲みに出かけた後で吐いたら最善の方法で対処しましょう。横にならないこと。自分の吐瀉物を吸い込まないようにすることが重要です」とリー医師。 嘔吐や二日酔い全般の副作用を最小限に抑えるため、リー医師は以下のことをアドバイスする。 ①たっぷりと休息する:1日中たっぷりと昼寝をしていい。睡眠には回復効果があるから、とにかく寝よう。 ②エクササイズをするならウォーキング程度に:新鮮な空気の中を颯爽と歩くと気分が良くなる。エクササイズをやり過ぎないこと。ジムで汗を流すとさらに脱水症状を起こす。 ③“迎え酒”はしない:苦難を乗り越えた胃には休息だけが必要。 ④その代わりに生姜を:生姜には強力な抗酸化作用があり、二日酔いを和らげる効果がある。吐き気や嘔吐、下痢などの症状も緩和するのにも役立つ。 ⑤鎮痛薬はアセトアミノフェンではなくイブプロフェンを:アセトアミノフェンは肝臓で代謝されるから、肝臓が抱えている課題を増やしてしまい、さらにダメージを与える危険がある。アスピリンも胃を刺激するので避けたほうがいい。 ⑥塩分の少ない淡白な味のものを食べる:何もつけないトーストやクラッカー、じゃがいも、バナナなど、刺激の少ない食べ物を食べよう。脂や油の多いものやスパイシーなもの、ミルクやチーズなど消化に悪いものや刺激物は避けて。 また、時間が癒してくれることも忘れずに。「残念ながら、素早く酔いを覚ます魔法の薬はありません。飲み過ぎた場合、回復するまでに約6~8時間かかるのが普通で、飲んだ量によってはもっと長くかかることもあります」とリー医師。
無理にでも吐くべき?
簡単に言えば、ノー。無理に吐くと健康に深刻な問題を起こす。まず、食道を緊張させることで粘膜に小さな破れが生じ、出血につながる可能性がある。また、胸焼けなど酸性反応を高めて誤嚥を引き起こし、胃の内容物が肺に入ってしまう可能性も。 それだけではない。「爪など鋭いものを口に入れることで、喉の奥にダメージを起こして気道を損ね、吐瀉物(としゃぶつ)を吸い込んでしまう危険があります」とリー医師。吐きそうだと思ったら、自然に吐くまで待とう。急いだり、無理に吐かせたりしないこと。
From NetDoctor UK