ドライバーでパッティング!?

＜中日クラウンズ　2日目◇3日◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース（愛知県）◇6557ヤード・パー70＞ 池村寛世はウェッジでパッティング…【写真】 国内男子ツアー今季第3戦「中日クラウンズ」の2日目が進行しているなか、一組だけ“二度見”をしてしまう光景があった。 池村寛世、片岡尚之、ショーン・ノリス（南アフリカ）の組の出来事。なんと、グリーン上でパターを持っているのは片岡ひとりだけ…。池村は62度のウェッジ、ノリスはドライバーで“パッティング”。なにが起きたのか？ ノリスに聞いてみると、後半の3番パー4でアクシデントが起きパターが破損。もともと長尺を使っていたノリスは、その後は持っているクラブで一番長いドライバーを選択してパッティング。「全然タッチは合わなかったけど、1つバーディが獲れたから。パーセーブもできたし、まあ仕方ないかな」と突然の出来事に戸惑ったが、すぐに切り替えてプレーを続行。2バーディ・3ボギーの「71」とスコアを一つ落としてトータル4アンダーで2日目を終えた。 池村は前半の14番パー4で怒りのあまり…。こちらもパター破損で封印。最初は54度のウェッジで打っていたが、フェースのリーディングエッジの部分を真っすぐにしている62度に変更して残りの13ホールを戦った。 そんな二人の“珍”状況を近くで見ていた片岡は「（これまで）同組でいなかったです。まずパターが折れた人がいなかったです」と振り返る。「僕がパターを使っているのに（二人とも）ポコポコ入るので（笑）」と、7番ではノリスが約10メートルから、池村が7メートルほどからカップインしたシーンを思い出す。 「僕は2メートル半ぐらいだったんですけど、すごい緊張して（笑）。一人だけパターで外していたら、すごい恥ずかしいじゃないですか。『これは絶対入れなきゃな』って。それが入ったので、きょうはそれでよかったかなって思います」。パターではない二人が目の前で自分より難しいパットを入れたことがいい意味でプレッシャーになり、しっかり決めるという場面を思い出し苦笑いだ。 ひと組で2人がパターを失うという“珍事件”。折れたことには驚いたが、その状況のなかですぐに切り替えてプレーを続行した二人には「すごいなって思いました（笑）」と片岡も笑うしかなかった。なお、不可抗力によってクラブが破損した場合は、2023年のルール改正で交換することができるようになったが…。偶然だったとしても替えのクラブがなければ交換は不可能。池村の場合は自身で折ってしまったことを認めているため、交換はできず。ちなみにグリーン上でパターを使わないといけないというルールがないことも付け加えておく。（文・高木彩音）