大手はもう、ガクチカ「起業」を評価しない。新卒採用担当の本音
学生時代のビジネス経験が一般化しつつある就活市場
マイナビ社の調査によると、インターンシップ・仕事体験に参加したことのある2025年卒の学生は89.5%(17卒学生は55.5%)。私も面談・面接で学生と接する中で強く実感する。ベンチャー企業で長期インターンする学生や、営業テレアポのインターンをする学生数は私が就職活動していた9年前と比較しても圧倒的に増えている。「どうせアルバイトするなら少しでも就職活動にプラスになるような機会を選びたい」という学生の本音もよく聞く。今や“就活生総インターン時代”と言っても過言ではない時代だろう。 その流れに伴い、選考時に職種を選択できる職種別の新卒採用を行う企業も増えてきた。いわゆる日本的ジョブ型採用の流れのひとつだ。エンジニアやデータサイエンティストなどだけでなく近年は事業開発系や企画系でも職種別採用を取り入れる企業も存在し、文系理系問わず、学生時代に培った専門性を武器に就職活動に臨むことができるようになってきた。 そんな時代背景からも、ビジネス経験に精を出す学生が増えているのだろう。 実際に学生起業するケースも増えているが、その手前の“ビジネスコンテスト経験学生”もかなり増えた印象を受ける。
企業は何を評価するのか?
では、こうした学生のビジネス経験について、企業は何を見て評価しているのか。 前出のITメガベンチャー企業の人事はこう話す。 「起業家学生の中でも地力がある人を見極めるポイントは、何かを捨てた経験があるかどうか。お金、友人関係、立場、時間……自分が持つリソースを犠牲にしてでもビジネスにおける目標達成のために取り組んでいる人は『ホンモノ』である可能性が高い」
星野 賢紘