オーストリア大統領、極右政党に組閣指示 中道派が連立できず
Francois Murphy [ウィーン 6日 ロイター] - オーストリアのファンデアベレン大統領は6日、欧州連合(EU)懐疑派で親ロシアの極右政党、自由党(FPO)のキクル党首に連立政権を樹立するよう指示した。自由党は昨年9月の総選挙で第1党となっていた。 ファンデアベレン大統領は総選挙後、自由党ではなく、第2党の国民党に組閣を要請。しかし、中道政権樹立に向けた交渉が決裂し、協議を主導してきたネハンマー首相が辞任を表明する事態となっていた。 これは、長らく自由党を批判しキクル党首と対立してきたファンデアベレン大統領にとって大きな方向転換となる。ただ、中道派が連立政権を組めなかったことで、残された選択肢はほとんどなかった。 キクル党首が大統領との会談を終えて退席する際、ユダヤ人学生や左派活動家ら数百人が「ナチスを追い出せ」と連呼したり「極右オーストリアは望んでいない」などのスローガンが書かれた横断幕を振るなどの抗議活動を行った。