モラハラ夫だからこそ作れた「あまりにも緻密な」大ウソの虐待記録。「それ、全部私がやられたことなのに」
「夫に子どもを奪われそうになったので、慌てて子どもを連れて実家に帰りました。でも、夫が何倍もうわてでした。弁護士を使って 子どもを取り返されてしまい、今、私は月2回しか子どもと会えずにいます」と、田代はるなさん(仮名・37歳)。 離婚・別居時に、相手の承諾なく子どもを連れて家を出ていくことは「子どもの連れ去り」とも言われる。相手にとっては、ある日突然、配偶者と子どもが姿を消すという大変ショッキングな仕打ちだ。一方的に過ぎると非難されてもしかたがない行為ではあるが、DVがひどくて逃げざるを得ない、話し合いにならない相手だ等々、致し方ない理由はたくさんある。 はるなさんの場合は、相手が子どもの連れ去りを計画しており、それを阻止するための、いわば先手を打っての連れ去りだった。 【共同親権を考える#4】前編
出産後、夫に「ダメ母」とののしられる私。ワンオペでも子育ては楽しくて、私なりにがんばっていたのに
欲しくて欲しくて、努力して授かった子どもだった。 結婚後、しばらく子どもができなかった。不妊治療をして3年後、体外受精でようやく子どもが生まれた。 夫は、もともとモラハラの気があったが、出産後、それがひどくなった。 「待望の子どもに恵まれ、一生懸命子育てをしていたのに、夫は私のことをダメ母、と罵りました。育児に向いていない、おまえが育てたら子どもはダメになるなどと言い、メンタルクリニックに連れて行かれたことも。わざと私を怒らせるようなことをして興奮した声を録音したり、日々の細かなこともノートにつけられたりして、すごく窮屈でした」 それでも、子育ては楽しかった。人見知りの激しい子ども で、夫にも懐かないほど極度のママっ子。可愛くてたまらなかった。7か月で職場復帰し、子どもは保育園に預けながら仕事を家事・育児を両立させていた。ほぼワンオペだったと自負している。 一方、夫との仲は険悪になるばかり。夫はみなみさんの何が不満なのか、妻を貶めるような暴言ばかりを吐いていた。 「支配欲が強い人なんですよね。相手をコントロールしたいんです。それができるのが女性や子ども。私は一見、弱く見えるけれど、意外に頑固なところもあるので、夫は自分に従わない私がいやになったのではないでしょうか」