「文章読むのが何だか遅い」劇的に速く読めるコツ 国語の入試問題は、年々長くなる傾向にある
学校でも、仕事場でも求められる「読解力」。どのように身に付ければよいのでしょうか。『小学生が5日でできる 東大式 超速! 読解ドリル』を上梓した、東大カルペ・ディエムの西岡壱誠さんが具体例を紹介しながら、読解力の身に付け方のコツをお話しします。 【写真】『小学生が5日でできる 東大式 超速!読解ドリル』(西岡壱誠著)では、読解力の身につけ方を解説 ■国語の文章、どうしたら速く読める? 「国語の文章を読むのが遅いです! どうすればいいですか?」 私は最近よくこんな相談を受けます。 入試が近づく中で、受験生は志望校の過去問や、大学入学共通テストの予想問題を解いて受験に備えています。
国語の入試に関していえば、最近の問題は文章が長く、時間との戦いになりがちです。文章を読むのが遅い人にとっては、とてもつらいことでしょう。 そこで、今回の記事では「どうすれば文章を読むのが速くなるのか」についてお話ししたいと思います。 文章を読むのが速い人は、1文1文を読むスピードが速いわけではありません。例えば、「走れメロス」の冒頭を見てみましょう。 「メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此このシラクスの市にやって来た。」
この文章を読んだときに、「なるほど。メロスは村の牧人なんだな。笛を吹くんだな。羊と遊んで暮らしているんだな」と考えても、あまり内容を理解しきれませんよね。 ここで大事なのは、「メロスという男がいる。正義感がある人物だ。村から市にやって来てなんらかの理由で王様に対して怒っている」というくらいの大雑把な情報です。 村の名前や、どこにあるのか、などは文章の本筋とは関係がない具体的な情報なので、忘れてもいいのです。
人間は「山田太郎くん」の顔を覚えているのではなく、「男性で、20代で、眼鏡をかけている、日本人」という大きなイメージを頭に入れたうえで、「鼻が高い」「色黒」といった個別の特徴と連携させることで、事柄を記憶していると言われています。 同じように、文章を読むのが得意な人は、中身ではなく、大枠から理解しています。中身を細かく読むのではなく、展開や論理の流れを把握することで、「だいたい何が書いてあるのかわかる」ようになるのです。