豊田章男会長に、WECマニュファクチャラーズ6連覇について聞く 「代表可夢偉としての決断をほめてあげてほしい」
■ 豊田章男会長がスーパーフォーミュラ最終ラウンドに来場 スーパーフォーミュラ最終ラウンドとなる第8戦・第9戦が、11月9日~10日の2日間にわたって鈴鹿サーキットで開催されている。第8戦が9日、最終戦となる第9戦が10日に行なわれる2戦連続開催。この最終ラウンドでスーパーフォーミュラのシリーズチャンピオンが決まってくる。 【画像】WECマニュファクチャラーズチャンピオン6連覇の会見でリタイヤの経緯について語る小林可夢偉チーム代表兼7号車ドライバー 第8戦のグリッドウォークには、大嶋和也選手(docomo business ROOKIE SF23 14号車)とともに参戦しているルーキーレーシングのチームオーナー 豊田章男氏が来場。チームに声援を贈るとともに、ファンサービスを行なっていた。 豊田章男氏はもちろんトヨタ自動車の代表取締役会長であり、TOYOTA GAZOO Racingのチームオーナーでもある。そのTOYOTA GAZOO Racing WEC(世界耐久選手権)チームは、先週の最終戦バーレーン8時間を優勝し、見事マニュファクチャラーズチャンピオンを逆転で獲得。フェラーリやポルシェを破り、6年連続のマニュファクチャラーズ制覇を成し遂げた。 決勝レース直前に日本で行なわれたJoby Aviationとの共同発表時に、チームへのコメントを求めた際に「勝ってこい!でしょ」と語っていた豊田章男氏。難しいと思われたその期待に応えて優勝し、逆転でメーカータイトルを獲得したチームに対しての思いを聞いた。 豊田章男会長は、「代表可夢偉の決断だったんだろうね。今年はいろいろなメーカーが参戦してきた。(その状況の中でのタイトル獲得を成し遂げた)代表可夢偉としての決断をほめてあげてほしい」という。 これは、7号車のドライバーでもある小林可夢偉チーム代表の決断のことを語っている。7号車と8号車の2台体制で挑んだ最終戦バーレーン8時間では、7号車にトラブルが出てしまい、レース途中で小林可夢偉チーム代表は7号車のリタイヤを選択。チームのリソースを8号車の勝利に注ぎ込むことを決断した。 耐久レースということを考えると、走り続けることで7号車もポイント獲得という可能性はあったが、どちらかが勝利しない限りマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得することはできなかった。そのため、自分を含む7号車のドライバー獲得ポイントを速やかにあきらめ、チームとしての勝利を優先し、見事世界チャンピオンに輝いた。 豊田章男会長は続けて、「やっぱりドライバー可夢偉だったら狙いたいでしょ、自分のポイントを。それをあえて『For The Team』を考え、代表としてあのタイミングで、あの決断をした。それで結果を残した」と語り、ドライバーでありながらチーム代表としても戦い、厳しい状況の中でチームを優先する決断で結果を出した小林可夢偉選手への思いを示した。
Car Watch,編集部:谷川 潔