今夜日本と対戦! マンチーニ監督が率いるサウジアラビア代表は、一体どんなチームなのか?【アジア最終予選】
幅を使い、ショートパスをつないで組み立てる
サウジアラビア代表は両ウイングバックに高い位置を取らせ、ピッチの横幅と縦の奥行きを目一杯使いながらショートパスをつないで攻撃を組み立てていくチーム。3バックには一定上のボールスキルが求められ、アル・ブライヒに関してはフィジカル全振りのプレースタイルとチーム戦術のミスマッチが招集外の原因とされているが、リーダーシップなども含め不在の影響は小さくないだろう。 一方でマンチーニ監督は今回の日本代表戦に向けて多くの若手選手にチャンスを与えた。中でもベルギー1部のベールスホットでプレーする数少ない欧州組のファイサル・アル・ガムディとマルワン・アル・サハフィは、ともに各世代別代表で中心を担ってきた有望株。前者はU-23代表のキャプテンも務めたセントラルMFで、出場停止のカンノの代役となりうる存在だ。後者は20歳ながらU-23代表でも活躍した長身のウィンガーで、ここぞという場面での爆発力を持っている。 他にも先に名前を挙げたアル・シブヤニとアル・ジュワイルのアル・シャバーブ勢や追加招集された18歳の長身FWタメル・アル・カイブリなど、A代表経験の少ない10代から20代前半の若手選手たちが多数メンバー入りしている。彼らの躍進は日本代表との大一番で鍵を握るかもしれない。 負傷や出場停止による主力選手の不在、出場機会の少なさによるコンディションや試合勘への影響など、サウジアラビア代表はいくつもの不安要素を抱えて日本代表との大一番に臨む。これまでの不甲斐ない戦いぶりに加え、10月シリーズでも満足のいく結果を残せなければ監督交代か……という噂も持ち上がっており、マンチーニ監督にとっても背水の陣と言えるだろう。 退路を断ったイタリア人指揮官は思い切った采配を振るってくるかもしれない。アル・ブライヒが不在の日本代表戦では右サイドバックにローマ所属のサウード・アブドルゥハミド、センターバックにハッサン・タンバクティとアリ・ラジャミ、左サイドバックにハッサン・カデシュを配置する4バックの採用が濃厚との現地報道もあった。個々のクオリティは変わらず高いため、チームとして不振だろうと油断はできない。あらゆる可能性への警戒と準備が必要だ。 6万人を超えるとも言われる大観衆の前で中東の盟主“グリーン・ファルコンズ”がどんな戦いを見せるか。日本代表と激突する北中米ワールドカップアジア最終予選第3節は日本時間10日深夜27時(11日3時)キックオフ予定で、試合の模様はDAZNにて独占配信される。 文◎舩木渉
サッカーマガジンWeb編集部