避難場所が施錠されて入れない… 元日の災害で予想外の事態発生 対策がすすむ避難場所の"鍵"問題
能登半島地震から22日で3週間となりますが、発災当時、津波から逃げる避難者に予想外の事態が起きていました。津波の避難場所が施錠されていたため入れず、やむを得ず窓を割って入ったといいます。こうした事態を防ぐために、東海地方では様々な対策が行われていました。
窓を割ってなんとか屋上に… 元日に起きた災害で予想外の事態が発生
各地で多くの被害をもたらした能登半島地震。沿岸部では津波の被害もあり、危険から身を守るため、高台に多くの人が避難しました。 津波警報が出ていた富山市でも、津波から逃れようと多くの人が避難しましたが、緊急避難先に指定されていた小学校の鍵が開いていなかったため、外階段を使って3階へ避難するという事態が発生。発災日が元日だったこともあり、関係者がすぐに駆けつけられず、鍵がかかっていたのです。しかし、その後もどんどん避難する人が集まり、転ぶと危険な状態だったといいます。 当時避難をした 押田大祐 富山市議: 「150人くらいは10分以内に集まっていたが、小学校のカギが開いていない、いわゆる校庭に人がたまっている状態で、なんとか校舎に入るべきだと考えまして、すぐ市役所に連絡をとりました。緊急事態ですからと言われて、除雪用のスコップあったのでコツンと割りました」 窓を割って校舎の中へ避難したということです。富山市によりますと、市内では同様に窓を割って避難したというケースが9件あったといいます。
「避難施設に入れない…!」 そんな事態を防ぐための解決策とは?
こうした"避難施設に入れない"事態を防ぐため、三重県津市にある津波避難ビルでは、入口の扉のとなりに「地震解錠ボックス」という箱を設置。震度5弱以上の揺れに反応し、箱の鍵が自動的に開くという仕組みです。中には、避難スペースに向かうための扉の鍵や経路図、緊急用のラジオなどが入っています。 津市防災室 主幹 平松三恵 さん: 「誰が一番に鍵を開けに来られるかどうかというのは、大災害にあった場合は来られない場合もあるので、ここに常駐で(設置)」 津市では、2013年から誰でも避難スペースに向かうための扉を開けられるよう取り組んでいて、三重県や名古屋市などの沿岸地域でも設置が進められているということです。