輪島

史上最速の所要9場所での大関昇進が決定的な関脇大の里（24）＝二所ノ関。父が前途洋々な孝行息子に期待するのは、郷土の大先輩〝輪島超え〟だ。 【写真】地区の相撲大会で優勝した小学6年生の大の里（後列右）。小学校卒業時に身長は170センチ台中盤だったという 秋場所で2場所ぶり2度目の優勝を飾り、大関取りの目安「三役で3場所合計33勝」を上回る34勝を挙げた大の里。羽黒山と幕下付出しの豊山、雅山の所要12場所を抜く史上最速の昇進は、25日の臨時理事会で決まる。 千秋楽から一夜明けた23日、大の里は茨城県阿見町の二所ノ関部屋で会見。「最後は気力だと思っていた。大関、横綱になっている人は、みんなきつい闘いを乗り越えている。そこを目指すための試練だと思っていたので突破できてよかった」とホッとした表情を浮かべた。 日体大出身の大の里は幕下10枚目格での初土俵から所要7場所の夏場所で初優勝。日大出身の輪島（幕下60枚目格）の15場所を更新した。次の目標となる横綱昇進の最速記録も輪島の所要21場所で、大の里の父・中村知幸さんは「輪島さんは石川県の偉人。学生（大卒）で横綱になったのは輪島さんしかいないので意識もしています」と話す。 知幸さんは、大の里も小学生の頃にはDVDボックスに収録されていた輪島の相撲をよく見ていたと明かし、「目標は〝輪島超え〟。それで初めて認められるんじゃないですか？　全てにおいて、記録を塗り替えていってほしいと思います」とエール。スピード出世だけでなく、史上7位の優勝14回を上回ることも長期的な目標となる。　（塚沢健太郎）