にしおかすみこ 「これが今のアタシだよ!」SM女王キャラから17年 著書「ポンコツ一家2年目」に込めた思い明かす
2007年にSM女王キャラでブレークしたタレント・にしおかすみこ(49)がこのほど、都内でデイリースポーツの取材に応じ、著書「ポンコツ一家2年目」(講談社)に込めた思いを明かした。夢に見ていたブレークとその後。ゴミ屋敷化した実家を目の当たりにしたときの衝撃を振り返りながら波瀾万丈の芸人人生を回想した。 【写真】17年前のSM女王キャラだった頃のにしおかすみこ 黒髪ボンテージ姿が懐かしい 黒のボンデージに身を包み、長髪を振り乱してムチでステージをたたく。ブレークは2007年のことだ。「能力が追いついてなかったですね」と振り返る現在の表情と17年前の姿を重ね合わせることは難しい。ショートに切りそろえた髪と控えめに浮かべる笑みが温和な人柄を感じさせた。 「仕事が増えて睡眠時間が少なくなって。憧れていた番組にも出していただけたんですけど」 青山学院大学在学中に、芸人の世界に足を踏み入れた。最初に受けた仕事は、大好きだったタレント・山田邦子の冠番組で前説。憧れの存在を間近に感じたことで舞い上がったという。 「何も成功していないのに、いきなり邦子さんの近くで仕事ができた!自分は向いていて、すぐ人気者になれるんだと思っちゃいましたね。そこから30歳過ぎまで全く売れないんですけど」 転機は日本テレビ系「エンタの神様」。数々の人気者を輩出した同番組において象徴的なブレーク芸人の1人になった。 「レイザーラモンHGさんの女性版はどうかな?って。SMコスチュームの衣装を買って、キャラは後から付けました」 手を替え品を替え、たどり着いたブレークだったが、バラエティー番組の現場は想像以上に過酷だった。募る疲弊と試行錯誤の日々。一発屋として終わったが都内で生活はできていた。実家の変化に気付いたのは2020年のコロナ禍に入ってからだ。母の手料理を食べたくなり、帰省した際に「ちょっとしたゴミ屋敷」になっていた実家と認知症を患っている母を目の当たりにした。 同書では、認知症の母、ダウン症の姉、酔っぱらいの父と4人で送る20年以上ぶりになる同居生活を克明につづる。 「(母の介護を)子育てと同じと言う方もいるんですが、私は独身で子育て経験もないのでちょっと想像力に欠けちゃいます。子育ては成長があるので希望を持てるのかなと思ったり。母の場合は後退するスピードができるだけ緩やかにと願うばかりです」 感情的な衝突や家族全員参加の大ゲンカ。一家の毎日は修羅場シーンも少なくないが、芸人ならではの視点と突っ込みでクスッと笑わせる。 「たくさん笑っていただきたい。家族って代えのきかないものではありますね」。穏やかな笑みに思いがあふれていた。 ◇にしおかすみこ 1974年11月18日生まれ、千葉県出身。2007年に日本テレビ系「エンタの神様」でブレーク。異色のSM女王キャラで脚光を浴びた。09年、落語家・春風亭小朝に弟子入りした。高座名は、春風こえむ。昨年に、認知症の母、ダウン症の姉、酔っぱらいの父と暮らす日々をつづった著書「ポンコツ一家」が話題に。今作はシリーズ2作目。趣味はダンス、マラソン。調理師免許を取得。