考える暇与えぬテンポで好投…でも「勝ちたかった」 東海大相模・石田 交流試合
◇○大阪桐蔭4―2東海大相模● 2020年甲子園高校野球交流試合は17日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で3試合があり、第1試合で東海大相模(神奈川)は大阪桐蔭に2―4で競り負けた。 【写真特集】東西強豪がっぷり四つ 大阪桐蔭vs東海大相模 鋭い打球を左手ではじき落とした。七回1死一、二塁、大阪桐蔭の1番・池田が放った打球が東海大相模の2年生左腕・石田を襲った。利き手の痛みは一瞬でしびれに変わり、三塁悪送球で進塁を許したが、マウンドに駆け寄った門馬監督にきっぱりと言った。「行けます」 犠飛で同点とされたが、3番・西野を低めのチェンジアップで空振り三振。勝ち越しは許さなかった。 一回は「丁寧に投げよう」と気負い過ぎて失点したが、捕手の返球を受けるとすぐさま投球動作を始める、持ち味の迅速な投球テンポに切り替えるとリズムに乗った。打者に考える暇さえ与えず大阪桐蔭打線を封じ、門馬監督も「二回以降は相手打線を上回っていた」と褒めた。 コロナ禍の自粛期間中、1日の食事を6~7回に分けて取ることで体重を10キロほど増やし、スタミナと球威を手に入れた。七回限りで降板したものの、2失点の好投。「もっと投げたかったし、勝ちたかった。また甲子園に戻ってきます」と誓った石田。昨夏も甲子園のマウンドに立った2年生左腕は、再び大きな経験を手に入れた。【尾形有菜】