次は国際ロマンス詐欺師に? 周明の過酷な過去と決意…「越前編」で光る松下洸平の演技力と影の努力【光る君へ】
平安時代の長編小説『源氏物語』の作者・紫式部(ドラマでの名前はまひろ)の人生を、吉高由里子主演で描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。6月9日放送の第23回「雪の舞うころ」では、前回の「通事殺人事件」の真相が無事に解明されたと思ったら、松下洸平演じる周明によって、新たなサスペンスの火種が投入され、越前はさらに混沌とした状況となった(以下、ネタバレあり)。 【写真】松下洸平を『情熱大陸』が密着していたシーン ■ 距離を縮めるまひろと周明だが…前回のあらすじ 宋(中国)人の朱仁聡(浩歌)が、通事の三国若麻呂(安井順平)を殺した罪で捕縛されたが、周明(松下洸平)の連れてきた男は、越前介の源光雅(玉置孝匡)に偽証するよう命じられたと証言。光雅は朱を危険人物とみなし、その力を削ぐためにやったと訴える。朱は解放されるが、越前守であるまひろの父・藤原為時(岸谷五朗)に、自分は日本との交易実現の密命を負った官人だと告白。光雅の懸念が当たっていたことに、為時は愕然とする。 周明はまひろに、自分はもともと対馬の生まれで、12歳のときに父親に海に捨てられ、宋人に拾われて育ったという身の上を語る。まひろは周明から宗語を習うようになり、距離を縮めていくが、会話をしているときにふと、自分が左大臣・藤原道長(柄本佑)と知り合いであることを漏らす。それを聞いた周明は、まひろを取り込んで左大臣と直接交渉を果たせるようにする代わりに、自分を宰相の侍医にしてくれるようにと、朱に交渉するのだった・・・。
中華歴史政治ドラマのような展開に、SNS大盛り上がり
突然の通事殺人事件! そして謎の美男宋人が日本語ペラペラ! という、大波乱のラストの続きから始まった第23回。それによって浮き上がってきたのが、前回でほのかに植え付けられた「宋人たちいい人」「越前の役人悪い人」という二項対立は完全に誤りだったことと、周明の壮絶な過去だった。さらに最後の方は、重厚な中華歴史政治ドラマを観ているような展開となり、そのたびにSNSが大波のように盛り上がった。 まず、通事殺害の犯人を朱になすりつけた源光雅。前回為時に袖の下を送った前科があったため、一瞬「絶対に収賄絡みの口封じだろ」とSNSが盛り上がりかけたが、実は宋人の脅威から越前と朝廷を守るための行動だったことが判明。まるでそれを証明するかのように、朱が「実は商売ではなく交易が目的でしたー」と告白し、為時だけでなくSNSも騒然となっていた。 「緑のマリオ(光雅)ちゃんとした人だった」「光雅をただの嫌な在庁官人とせず、こいつにはこいつの言い分もある、とした為時パッパも本作のスタンスも良き」「手段に問題はあるが、国を守りたい気持ちは本気なところ。この複雑さが人間らしくてよい」「『前の国司は話も聞いてくれない』が、結果として朝廷を守ることになっていたとは」「商いをできるようにしないと国に帰れないってヤバいやん。彼らを宋に帰すのが為時の仕事なのに」などの、さまざまな声があふれていた。