ボストン爆破事件から1年 立ち直る街
マラソン大会にはかつてない参加希望者が殺到
一方、118回大会となるマラソンの方には、未だかつてない参加希望者が殺到した。事件発生直後にボストンを慰問のために訪れたオバマ大統領は、「来年の4月の第3月曜日、人々は、またボストンの街を走るだろう」と演説したが、その通り。事件が起きたから、参加が敬遠されるのではなく、逆に、それぞれの思いを抱くランナーたちは、今年のボストンを走ることを熱望した。エントリー受付開始は、昨年9月9日。大会事務局は、事件のためにゴールを果たせなかった昨年の参加者や、被害者やその家族、救助活動に尽力した人々のエントリーを優先して調整したが、それでも、参加志望者が後を絶たず。結局、昨年より9000人も多い、大会史上最多の36000人が参加を予定している。この日から、ゼッケンのピックアップが始まり、市内のホテルは続々と満室に。市内のムードは、じわじわと盛り上がりをみせてきた。 車椅子の部などもある当日のイベントは、8時50分から部門別にスタート。警備体制は厳重で、昨年より約2倍に相当する警察、機動隊らが警備に当たると言われている。地下鉄の最寄り駅は終日閉鎖。午前6時から交通規制が行われ、一般車両の進入はできなくなるほか、ゴール付近では、バッグ類、水筒、ペットボトルなどの持ち込みが禁止されている。 ボストンの街で42.195キロを走り終えたランナーには、嬉しいイベントが待っている。夕方6時半からは、「ポストレースイベント」として、フェンウェイパークで、マラソン参加者やそのゲストを対象に「オープンハウス」の開催が予定されているのだ。球場内のコンコースや座席を解放し、レース後のランナーたちの憩いの場となるような、粋な計らいだ。過酷なレースを走り終えたランナーが、球場で落ち合い、家族や友達と楽しい時間を過ごす。そして、夜は午前0時過ぎまで、球場近くのバーでパーティーも行われる。市民が待ち焦がれたボストンの“特別な週末”が、いよいよ始まった。