ボストン爆破事件から1年 立ち直る街
1年前の悲劇を経て強くなったボストン
4月18日の金曜日。ボストンの街が、いよいよ、“特別な週末”に突入した。土日の休みを経て、4月の第3月曜日は米国独立戦争開戦を記念した州の休日「ペイトリオッツ・デー」であり、世界最古のマラソン大会が、州都ボストンで開催されるマラソンの日でもある。市民がマラソンのゴールと野球の両方を楽しめるようにという配慮から、レッドソックスの試合は、異例の午前11時から始まるのが恒例だ。州の学校は1週間の春休みに突入。朝晩はまだまだ寒いボストンだが、鳥のさえずり、日差しのまばゆさに春を感じる頃。そして、今年は、例年とは、ひと味違った意味を持つ特別な週末になる。 「あれから1年。月曜日の試合は、きっとエモーショナルなものになるだろう。でもきっと、悲しみより、ハッピーなものになるんじゃないかな。この街が、あの悲劇から如何に立ち直ったか。人々が如何に、助け合ったか。街とスポーツの絆を強く感じた1年だった」 再び巡ってきた「ペイトリオッツ・デー」を前に、レッドソックスの主砲オルティスは、想いを馳せていた。マラソン競技開催時間中に全米を驚怖に陥れた爆弾テロ事件が起き、多数の死傷者が出たのは、昨年の4月15日のことだった。ゴール地点は、レ軍の本拠地フェンウェイパークと目と鼻の先。試合を終えて、遠征に出るバスが出発した頃、事件が起きた。 「最初は正直、怖かったし、混乱もした。こんな治安の良い所で、一般の市民がターゲットにされた爆発事件が起きるなんて。でも、皆が、自分ができることを、少しずつでも毎日やろうとした。市民として“再結成”することができんだ。チームも同じだった。どんな時でも、誰かが誰かの背後を守って戦った。ボストンのユニフォームを着てフィールドに立つことに誇りを感じて試合に臨みたい。ペイトリオッツデーの伝統はこの先もずっと続けて欲しい」 今年のペイトリオッツデーは、21日。当日の試合で、レ軍ナインは、いつもの「RED SOX」ではなく「BOSTON」の土地名が胸に刻まれたユニフォームを着ることになっている。