ブータン王国特別行政区、デジタル資産を戦略的準備金の一部に採用へ
デジタル資産を戦略的準備金の一部として採用
ブータン王国の特別行政区(SAR)であるゲレフ・マインドフルネス・シティ(Gelephu Mindfulness City:GMC)が、戦略的準備金の一部としてビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ビルドアンドビルド(BNB)などのデジタル資産を採用する計画を1月8日発表した。 これによりSARは、戦略的準備金の一部としてデジタル資産を正式に保有する最初の管轄区域の一つとなる。 発表によれば今回の動きにより、特別行政区の経済的回復力が強化され、同管轄区域のビットコインマイニングへのさらなる進展が見込めるとのことだ。 なお今回の発表では、BTC、ETH、BNB以外の特定のデジタル資産に言及はされていないが、GMCは「時価総額が大きく、流動性の高いデジタル資産を認定し、価格への影響を最小限に抑えながら、それらの資産が容易に売買できるようにするつもり」としている。 また「SARは、オンチェーン取引の監視をサポートする、成熟度が高く安全性のあるブロックチェーン上で発行されたデジタル資産を認定する予定である」と発表されている。 SARは、ブータン南部における野心的な持続可能な都市開発および経済革新プロジェクトであり、ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュック(Jigme Khesar Namgyel Wangchuck)国王が構想したもの。 インドとブータンの国境付近に位置し、2,500平方キロメートル以上に広がるGMCは、ブロックチェーン技術の推進と支援を経済の主要な焦点と位置づけ、革新性を軸とした都市環境を創出する構想だ。 ブータンの伝統的価値観、世界的に認められた法的枠組みや最先端のテクノロジーを統合し、王国の豊富なグリーン電力を活用して、全体的な発展における世界的な模範となることを目指している。 GMCは今年3月、ブータン王国にて政府高官や世界中の業界リーダーを集めた会合を開催し、管轄区域の戦略的準備金としてのデジタル資産の承認、およびGMCのデジタル資産に関する国際諮問委員会の設置について話し合う予定だという。 今回の発表は、昨年12月26日に発表された「2024年法適用法」や「GMC法第1号」の制定に続くもの。 GMCの制定法には、デジタル資産を利用した金融サービスを提供する企業を対象としたGMCの法的および規制上の枠組みの確立が含まれている。 この法律の制定は、BTC、ETH、BNBなどのデジタル資産をGMCの戦略的準備金の一部として認定することと併せて、規制の行き届いた環境の中で、GMCにおけるデジタル資産エコシステムの成長を強化することを目的としている。 またブータンは、ビットコインのマイニングを2019年より行っていることが現地メディア「The Bhutanese」によって、昨年4月に報じられている。 同国はヒマラヤ山脈に国土が位置する為、比較的気温の低い峠や山を保有しており、マイニングに利用する機器の冷却に消費する電力も少なくて済むとされている。 オンチェーン情報の追跡プラットフォーム「アーカム(Arkham)」が特定したブータンの王立政府投資部門「DHI(Druk Holding & Investments)」のアドレスを確認すると、ブータン政府が保有する現在のビットコインは11,688BTCで、イーサリアムは656.039ETHとなっている(2025.1.9 17:30)。またその他にもLNQ、APU、KIBSHI、BOBO、SAND、MATIC、BNB、INS、BIM、SKYA、USDTを現時点で保有しているのが確認できる。
あたらしい経済編集部