シーズン最終盤、千賀滉大が“2度目の”復帰を果たす
「本当に苦しい1年だった」
失意の日々を過ごし、偽らざる本音だった。メッツの千賀滉大投手(31)が、今季を振り返った。とはいえ、まだシーズンは終了していない。そして、レギュラーシーズン中に復帰する望みも残されている。
春季キャンプ中に右肩に異変が起き、回復しては、後戻りするもどかしい日々を送った。メジャー復帰マウンドは7月26日のブレーブス戦までずれ込んだ。5回1/3を投げ、2安打2失点、9三振と好投。勝利投手になり、日米通算100勝(ソフトバンク87勝、メッツ13勝)を達成した。しかし、内野フライがあがり、一塁手に捕球を任せるべく、とっさに身をひるがえした際に左ふくらはぎを痛め、その場に倒れこんだ。復帰戦で負傷し、再び負傷者リスト(IL)入りする生活に戻った。
「残り5試合で戻れると思うので戻れるようにしていきたい」
クラブハウスには、米国で「ウオーキング・ブーツ」といわれる着脱式可能なギプスが置かれていた。今はもう使うことないが、その装具がけがの“重症度”を物語っていた。現在はキャッチボールやブルペン投球は再開。左ふくらはぎのリハビリではなく、投球するための調整に集中している。
「思いっきり投げられて1回でも多く投げられる準備をして帰って来る。僕としては(先発か中継ぎなど)どこで投げるか?というよりは、とにかく1イニングでも投げられる準備をする目標がある」
メッツは9月7日時点では9連勝(8日にレッズに敗戦し、連勝ストップ)。各地区2位以下の勝率上位3チームまでがプレーオフに進出できるワイルドカード(WC)争いでは3位のブレーブスと同率だ(9月8日終了時点)。6月には借金は最多の「11」だったが、7日時点で貯金15までV字回復している。
きたるべき短期決戦を見据え、千賀の復帰は大きな“補強”になる。現実的には先発として100球で試合をマネジメントするよりも、短いイニングを任せるリリーフとして今季中の復活を期すことが現実的だ。