米PCE価格指数、6カ月ぶりの低い伸びか-物価指標が下振れ示唆
(ブルームバーグ): 28日に発表される5月の米個人消費支出(PCE)価格指数は昨年11月以来、6カ月ぶりの小幅な伸びにとどまる見通しだ。今週発表された2つのインフレ指標がいずれも予想を下回ったことが背景にある。米金融当局はPCE価格指数をインフレ目標の基準にしている。
13日に発表された生産者物価指数(PPI)は、PCE価格指数の算出に使われるいくつかのカテゴリーが前月比で低下した。12日に発表された消費者物価指数(CPI)も予想より軟調だったため、食品とエネルギーを除いたいわゆるPCEコア価格指数が5月に前月比0.1%上昇にとどまると、複数のエコノミストが予想している。
米連邦公開市場委員会(FOMC)が12日に公表した金利予測分布図(ドットプロット)によると、年内の利下げは中央値で1回のみと想定された。13日のデータを受けて、金利先物市場では、9月に0.25ポイントの利下げが実施される確率は約65%に上昇。12月の利下げ確率は約80%となった。
FOMCは金利据え置き、24年利下げ予想1回に減少-来年は4回 (4)
パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェファードソン氏は顧客向けリポートで、「PPIとCPIを分析すると、5月のPCEコア価格指数は0.11%の上昇にとどまり、今年1-4月の平均である0.32%上昇を大きく下回るとみられる。当社の予想では、大幅な下振れサプライズになる」と指摘した。
他社も低い上昇率を予想している。キャピタル・エコノミクスの北米担当チーフエコノミスト、ポール・アシュワース氏も0.11%上昇を予想。シティのエコノミストは0.15%と予想している。
PCE価格指数の算出に使われるPPIの主要項目は、5月に抑制された。航空運賃は4.3%低下し、ポートフォリオ運用サービスは1.8%低下。診察料は横ばい、外来医療費は0.5%上昇した。
CPIとPPIから読み取れるのは、12日午後に公表されたFOMCの四半期経済予測が既に古くなっている可能性だ。FOMC参加者は2024年のPCEコア価格指数を前年同月比2.8%上昇と予想。3月時点では2.6%上昇としていた。