初めて自治会長になったら…「配布物の対応が大変」 福井市の男性、嘆きの声
「町内の配布物や回覧物の対応が大変」。福井新聞の「ふくい特報班」(ふく特)に、福井県福井市のある自治会長から投稿があった。定期的に自治体の広報誌や地域のイベント案内などの印刷物が届き、仕分けして配る負担が大きいという。あなたの地域ではどうしていますか? 投稿者は十数年前、県外から福井市内に移住した40代男性。昨年、初めて自治会長になった。毎月10日と25日の数日前に市や市議会の広報誌、地域の催しのチラシといった配布物や回覧物が自宅に届く。回覧板のファイルとともに数軒ある班長宅に持って回る。 「時間と手間と経費をかけて配って、みんな読んでいるんだろうか。欲しい人だけの選択制や、郵送でもいいのでは」。役員のなり手不足で会長を引き受けたという男性は「少しの負担でも自治会活動の障壁になるんじゃないか」と嘆く。 別の自治会で会長を務める50代男性宅には昨年10月中旬、約200世帯分の印刷物が届いた。これらを仕分けし数人の副会長宅に届ける。この回は広報誌などのほか、小学校だよりといった地域限定のチラシもあり計7種類。配布は月1回の1月と8月を除いて毎月2回、年間22回に上る。男性は「この前配ったと思ったらすぐ次の分が来る感じ。サラリーマンなので何とか時間をやりくりして配っている」と漏らした。 福井市地域振興課によると、市内には1535の自治会があり、配布物は市から各公民館に届け、シルバー人材センターの担当者が行政嘱託員の元に届ける。行政嘱託員は自治会長が担うのが一般的で、年間報償金は世帯割(世帯当たり千円)と均等割(千円)の合計額。50世帯の自治会なら5万1千円になる。最も規模が大きい自治会は約700世帯あるという。 同市は自治会の負担軽減を目指し、広報誌の発行回数を月1回に減らす方針を固めたほか、役員を対象にした研究会を設け情報共有のデジタル化を推進。同課の担当者は「デジタル化が苦手な住民への配慮も引き続き必要」と話す。
福井新聞社