<センバツ・この選手に注目>/10止 清原勝児内野手(慶応・1年) ここぞ、主砲のDNA
名門・PL学園(大阪)の主砲として甲子園で春夏通算最多13本塁打を放ち、プロ野球で歴代5位の通算525本塁打を記録した清原和博さんの次男。投手に立ち向かう気迫、何かやってくれそうな雰囲気に父のDNAを感じる。 レギュラーとなった昨秋は試合を重ねるごとに成長を遂げ、特に「長打力」と「勝負強さ」が際立った。最初の見せ場は神奈川大会3回戦。「8番・三塁」で先発し、カーブをうまく捉え、左翼ポール際に満塁本塁打を放った。公式戦初本塁打が「グランドスラム」という華々しい活躍だったが、それで終わらなかった。 常磐大高(茨城)との関東大会1回戦で、「7番・三塁」で先発して迎えた第2打席。1打席目で詰まらされた内角に狙いを定めた。3球目の甘い内角球を左翼ポール際に運び、勝ち越し2ランとした。「内角は苦手ではないので、一発で仕留められた」。チームで外角狙いを徹底していたが、柔軟に変えて結果につなげる「対応力」を披露した。 身長175センチ、体重80キロ。際立った体格ではないが、球を捉えた際のインパクトの強さに非凡さを感じさせる。冬場に意識したのは「振る力」だ。「自分のスイングができれば飛ばす自信はある。対応力も求めていかないといけないが、やっぱり長打力を伸ばしたい」。スイングスピードを上げるために素振りの量を増やし、体全体の力でバットを振り切る感覚を染みこませた。 「野球のレベルが上がっていくにつれて、父の偉大さを痛感しています。自分も大観衆の中で、父を超えられるように頑張りたい」。ポジションは三塁手。父が巨人、オリックス時代に背負った背番号「5」で立つ甲子園の打席が待ち遠しい。【浅妻博之】=おわり