【師走ひと模様】踏み出す夢の一歩 福島市のパティシエ末永萌さん
くじけそうになった時、ケーキ作りに没頭して前向きになれた。福島市のパティシエ末永萌さん(32)は独立後、初めてのクリスマスを迎える。「箱を開け、幸せな気持ちになってくれたらいいな」。真心を込めてケーキ作りの準備を進めている。 ◇ ◇ 中学校の職場体験で市内の菓子店に行き、菓子作りの魅力に目覚めた。福島東高卒業後、専門学校を経て新潟市の洋菓子店で修行した。 覚えることは山積みだった。早朝から夜遅くまで働いた。体力的につらく、続けられるのか思い悩む日々。そんなある日、考案したドライフルーツを乗せたチョコレートが商品として採用された。手に取った客が笑顔になったのが忘れられない。活力がみなぎり、「自分でも店を持ちたい」と心に火が付いた。 ◇ ◇ 6年前に故郷に戻り、11月に市内北矢野目に「パティスリークレドール」を開いた。1カ月が瞬く間に過ぎ去った。インスタグラムや口コミで徐々に来店客が増えてきたことが励みだ。地元産の果物を使ったスイーツを意欲的に使っている。「大切な人とシェアしたくなるお菓子を届けたい」とほほ笑んだ。
◇ ◇ 「パティスリークレドール」の住所は福島市北矢野目字坂東13―3。営業時間は午前10時から午後6時まで。日、月曜日が定休。問い合わせは同店へ。