働けるのに休まねばならぬパート女性 「103万円の壁」議論に注文
特別国会が11日に召集され、石破茂氏(自民党総裁)が第103代首相に選出された。一方、10月の衆院選で躍進した国民民主党が訴えてきたのが、「103万円の壁」の見直しだった。国民民主と自民、公明両党との協議は本格化しており、「壁」に悩む北海道内の有権者も議論の推移を見守る。 【表でわかる】103、106、130万円…それぞれの「壁」でこう変わる 「壁」は、パートタイムなどで働く人の年収が一定額以上になると、厚生年金や健康保険などの社会保険料や税負担などが生じ、手取りが減る問題を指す。「働き損」を避けるために働く時間を短く調整する傾向があり、女性の就労を阻害する要因と指摘される。 飲食チェーン店でパートで働く札幌市白石区の女性(39)は「103万円の壁」を意識して働く。年末の繁忙期の勤務に備えて、11月ごろは出勤日数を減らすという。同僚の体調不良などによる急な出勤で収入が「増えてしまう」からだ。昇給も希望するが、すると「壁」の問題を考えなければならない。 社会保険料の負担が発生すると会社の負担が増えることから職場で「収入106万円」を意識するパートも多いという。「103万円や106万円の壁がなくなっても、働き方がどうなるかはまだ分からない。国に手取りが減らないような仕組みを考えてほしい」と求めた。そして、「働けるのに休まないといけなくなり、申し訳ない気持ちになる」と表情を曇らせた。【今井美津子】