古里の誇り懸け福島路駆け抜ける ふくしま駅伝17日号砲
第36回市町村対抗県縦断競走大会(ふくしま駅伝)では、各市町村の代表が古里の誇りを懸けて福島路を駆け抜ける。福島県猪苗代町は父に続いて指揮を執る新監督の下、全国切符を得た中学生を軸に町の部10年ぶり2度目の優勝を狙う。南相馬市からは中高生の3人きょうだいが初めてそろって出場。福島市で司法修習中の青年は支援への「恩返し」を誓い、最初で最後の舞台に立つ。58市町村の52チーム、816人の思いが詰まったレースは17日午前7時40分、号砲が鳴る。 ■父子2代悲願へ闘志 猪苗代町 監督受け継ぎ初陣 五十嵐史朗さん 町の部V狙う 猪苗代町は2014(平成26)年以来、10年ぶり2度目となる町の部制覇を狙う。今年から監督としてチームを率いる五十嵐史朗さん(38)=五十嵐石材=は「優勝し、町を一層盛り上げたい」と燃えている。 東中2年で初出場して以来、郡山北工高を経て社会人となってからも福島路を走り続けた。選手を退いた後も昨年までコーチを務めるなど、人生の半分以上を大会とともに歩んできた。
2013年まで延べ13年間、監督を務めた父幸夫さん(61)の指導方針を受け継ぎ、「若手の育成」を第一に掲げる。父の在任中は町の部2位が最高成績だっただけに、優勝は父子2代にわたる悲願だ。 今大会は進境著しい猪苗代中生に期待が懸かる。10月の県中学駅伝で男子が初優勝し、女子も3位に入った。各選手がしのぎを削り力を高め合ってきた。中学生区間で「全員が区間賞」を狙っている。 出場3回目、3区を担う予定の星柊斗(しゅうと)選手(14)=3年=は「ベストな走りでチームに勢いを付けたい」と意気込む。笠間菜瑠選手(15)=3年=は過去2大会、控えで裏方から仲間を支えた。15区を走り、アンカーにタスキをつなぐ。「監督を胴上げできるようにチームに貢献したい」と力を込める。 ■3きょうだい、夢の舞台 南相馬市 日下稜空、琉楓、心優選手 南相馬市からは2区に日下稜空(りく)選手(18)=小高産業技術高3年=、15区に琉楓(るか)選手(14)=石神中3年=、8区に心優(みひろ)選手(13)=石神中1年=の3きょうだいが初めて、そろって出場する。ふくしま駅伝に初挑戦する心優選手は「3人で同じ駅伝を走る夢がかなう。精いっぱい、タスキをつなぐ」と力を込めている。