大日本印刷、米国でバッテリーパウチ加工。100億円投じスリット加工開始
大日本印刷(DNP)は29日、米国ノースカロライナ州にリチウムイオン電池の外装材であるバッテリーパウチ工場用地を取得したと発表した。26年度に稼働予定の新工場にはスリット加工ラインを導入する。投資額は100億円規模になる見込み。また市場や需要動向に応じて、新工場敷地内でジャンボロールの製造も検討する。 DNPは印刷技術の一つであるコンバーティング技術(材料加工技術)を生かし、LIB外装材であるバッテリーパウチを開発し、1990年代後半に実用化した。世界トップシェアの同製品は福岡県・戸畑工場と埼玉県・鶴瀬工場内、海外ではDNPデンマークでバッテリーパウチのジャンボロールのスリット加工工場を展開している。適地生産を進めるDNPは、市場拡大が著しい米国需要に対応するために新工場の開設も検討していた。 米国ノースカロライナ州デビッドソン郡リンウッド市に建設する新工場ではスリット加工を始める。しかし市場拡大の状況を見て、上工程のジャンボロール製造まで視野に入れる方針。DNPは25年度までにリチウムイオン電池用バッテリーパウチで年間売上高を約1千億円まで高める計画を示している。