スキズとミセスがご挨拶、ファッションウィークどうだった?
大きなものから小さなものまで、“最近のK-POP”の話題を振り返るマンスリー連載「KPOP、最近どう?」。9月はTWICEのツウィ、TOMORROW X TOGETHERのYEONJUNがソロデビューを果たしたほか、EXOベクヒョン、SHINeeオンユとKEY、MAMAMOOファサらがカムバックするなど、スターたちのソロ活動が印象的な1カ月でした。本稿では、こうした9月のカムバックの振り返りはもちろんのこと、ファッションウィークから「アユクデ」まで、複数の話題をピックアップしご紹介します。 【動画はこちら】談笑するスキズ&ミセス 文 / 岸野恵加 イラスト / ちぎりパン ■ 1. トップアイドルがソロデビュー 9月はまず、人気グループのメンバーのソロデビューが印象的でした。TWICEからナヨン、ジヒョに続いて初のソロ作品を発表したのは、末っ子のツウィ。普段グループ内では物静かな印象のある彼女ですが、多くの音楽番組で堂々とした姿を見せてくれました。大人っぽいムードが漂うデビュー曲「Run Away」は、実の母、いとことのダンスチャレンジ動画も微笑ましかったです。 TOMORROW X TOGETHERのYEONJUNは、ソロミックステープ「GGUM」を発表。赤髪で不良感のあるコンセプトが彼の個性に完璧にマッチしていて、圧倒的なダンススキルにも魅せられました。 ベクヒョン(EXO)は、3年半ぶりとなるミニアルバム「Hello, World」を発表。発売からわずか5日で100万枚超を売り上げ、3作連続ミリオンセラーという記録を残しています。なおベクヒョンは韓国の文化財返還のため、今年1月に5000万ウォンを寄付していたことも公表され、注目を浴びました。そしてファサ(MAMAMOO)は、ミニアルバム「O」で約1年ぶりにカムバック。昨年P NATIONに移籍した彼女ですが、リード曲「NA」のサウンドには、事務所の代表であるPSYの大ヒット曲「江南スタイル」のフレーバーが漂っています。 SHINeeのメンバーのソロ活動も充実し続けており、先月テミンがミニアルバム「ETERNAL」を発表したのに続き、オンユは9月3日にEP「FLOW」を、キーは自身の誕生日である23日にミニアルバム「Pleasure Shop」をリリース。またBOYNEXTDOORは3rd EP「19.99」にて、アメリカ・ビルボードの6部門で自身最高順位を記録しました。来年には初のワールドツアー「BOYNEXTDOOR TOUR 'KNOCK ON Vol.1'」の開催も決まり、さらなる躍進が期待できそうですね。 9月はMEOVV、MADEINと、注目ガールズグループがデビューを飾りました。FIFTY FIFTYは5人の新体制となり、EP「Love Tune」を発表。シャネルとイェウォンのデビューを、オーディション「R U Next?」で苦楽をともにしたILLITのメンバーがX(Twitter)で祝っていたことも感動を誘いました。このほか9月はカン・ダニエル、DAY6、P1Harmony、xikersらもカムバック。RIIZEはシングル「Lucky」で5日に、WayVはミニアルバム「The Highest」で25日に日本デビューしています。 ■ スキズ×ミセスも、日韓スターがショーで挨拶 グローバルなイベントで、K-POPアーティストの活躍がさらに光っていた9月。アメリカ・ニューヨーク、フランス・パリ、イタリア・ミラノでは9月にファッションウィークが行われ、多くのスターが参加しました。ニューヨークの船上で開催されたTOMMY HILFIGERのショーにはStray Kidsのリノ&フィリックスが訪れ、Mrs. GREEN APPLEのメンバーと談笑する姿も捉えられています。このほかパリのPRADAのショーではENHYPENと永野芽郁、ミラノのDolce & GabbanaのショーではATEEZのサンと岩本照(Snow Man)など、豪華な集合ショットがキャッチされSNSをにぎわせました。 TWICEのダヒョンは、モデルとしてMICHAEL KORSのショーに出演。ランウェイでは堂々とした表情を浮かべていましたが、舞台裏のオフショットでは緊張の糸が切れて安堵したのか、彼女らしい弾ける笑顔を見せていました。 9月12日にアメリカ・ニューヨークで開催された「2024 MTV Video Music Awards」では、BLACKPINKのLISAが最優秀K-POPビデオ賞を受賞。LE SSERAFIMはプレショーでパフォーマンスを披露しました。そして韓国国内では、K-POPアイドルが集うスポーツフェスティバル「アイドルスター陸上選手権大会」通称「アユクデ」が2年ぶりに復活。MCにはカン・ダニエルとNMIXXのヘウォンが選ばれ、16日から18日までの3日間にわたりMBCで放送されました。&TEAMは400mリレーで驚異的なスピードを見せ、2位に大きな差を付けて優勝。さらにツキ(Billlie)は社交ダンスで1位に輝いて、前回チャンピオンのシャオティン(Kep1er)から金メダルとティアラを授与されるなど、多くのドラマが生まれました。 ■ ゲストはまさかのG-DRAGON&D-LITE 9月もさまざまな公演が話題を集めました。BIGBANGのSOLことTAEYANGは、約7年ぶりの単独ツアーを韓国で開始。G-DRAGON、D-LITEがゲスト出演し、「BANG BANG BANG」「FANTASTIC BABY」などBIGBANGの楽曲を3人で披露するというサプライズは、多くのファンの感動を呼びました。 IVEは11カ月間にわたったワールドツアーを完遂。そのファイナルを飾ったステージは、グループにとって初となる東京ドーム公演でした。筆者も現地でライブを鑑賞しましたが、大舞台にふさわしい華やかなパフォーマンスに引き込まれ、メンバーの感極まったような表情には涙を誘われました。 またSEVENTEENから初めて兵役の義務を果たすメンバーとして、JEOUNGHANが26日に入隊。ドイツ・ベルリンで行われた「Lollapalooza Berlin」が入隊前最後のライブ出演となり、SEVENTEENは90分間にわたるステージで、堂々とヘッドライナーを務め上げました。さらにIUが韓国で行ったアンコールコンサートには、BTSのVとJ-HOPE、G-DRAGON、Stray Kidsのリノとスンミン、RIIZEのアントンとソンチャン、LE SSERAFIMの面々など、豪華アーティストたちが来場したことを報告しており、IUのスーパースターぶりがうかがえます。 日本では音楽授賞式「2024 THE FACT MUSIC AWARDS」が9月7、8日にかけて京セラドーム大阪で初開催されました。KISS OF LIFEは2NE1、BLACKPINKというYGエンターテインメントのガールズグループのカバーをメドレーで披露。デビュー2年目とは思えない、貫禄のあるパフォーマンスが印象的でした。 ■ 元SMROOKIESがトロット界へ こちらのブロックでは、そのほかさまざまなカテゴリのトピックをまとめてご紹介します。TikTokでは、肩を激しく動かす「Ombrinho Dance」が流行中。aespa、ENHYPEN、ZEROBASEONE、NCT WISH、MONSTA Xのメンバーらが軽快なダンスを披露しています。またHYBEとGeffen Recordsによるオーディション「The Debut: Dream Academy」より誕生した多国籍6人組ガールズグループ・KATSEYEは、2ndシングル「Touch」がSNSでバイラルヒット。初の来日も果たし、「CDTVライブ!ライブ!」「Venue101」といった日本の音楽番組にも出演しました。 ジェジュンがプロデュースする7人組グループ・SAY MY NAMEのメンバーが発表されると、本田仁美(ex.AKB48、IZ*ONE)が名を連ねていることが大きな話題に。「The Debut: Dream Academy」に出演していた日本人メンバーのメイも所属しているようで、10月のデビューが楽しみです。そしてSMエンターテインメントは、新たに5人組グループ・MYTROをデビューさせることを発表。SMROOKIES出身のショウヘイが、韓国演歌・トロットを専門とするグループのメンバーとしてついにデビューを果たします。 9月は「ROAD TO KINGDOM : ACE OF ACE」「Re:Born」と、デビュー済みのボーイズグループがサバイバルを繰り広げる番組も同時期にスタート。それぞれSHINeeのテミン、チャン・グンソクがMCを務めています。また2020年に解散したGFRIENDが、デビュー10周年を記念して来年1月に再結成されることも明らかになり、期待を高めました。 ■ 【9月】音楽番組、最近どう? 9月に放送された、韓国の主要音楽番組にて1位を獲得した楽曲をご紹介します。前作「Killin' It」でデビュー後初の1位を獲得したP1Harmonyが、9月20日リリースの新曲「SAD SONG」では複数の番組で1位を記録。グループにとっての“4th Win(4度目の1位)”となった「Music Bank」の放送日はリーダー・ギホの誕生日で、アンコールステージには誕生日ケーキが登場しました。なお「Music Bank」からは、1年7カ月にわたってMCを務めたLE SSERAFIMのHONG EUNCHAEが卒業。10月からはILLITのMINJUがバトンを引き継ぎます。 □ THE SHOW 9/3 ZEROBASEONE「GOOD SO BAD」 9/10 なし 9/17 なし 9/24 P1Harmony「SAD SONG」 □ SHOW CHAMPION 9/4 ZEROBASEONE「GOOD SO BAD」 9/11 LE SSERAFIM「CRAZY」 9/18 なし 9/25 P1Harmony「SAD SONG」 □ M COUNTDOWN 9/5 ZEROBASEONE「GOOD SO BAD」 9/12 LE SSERAFIM「CRAZY」 9/19 LE SSERAFIM「CRAZY」 9/26 LE SSERAFIM「CRAZY」 □ Music Bank 9/6 ZEROBASEONE「GOOD SO BAD」 9/13 BAEKHYUN(EXO)「Pineapple Slice」 9/20 BOYNEXTDOOR「Nice Guy」 9/27 P1Harmony「SAD SONG」 □ Show! Music Core 9/7 JAEHYUN(NCT 127)「Smoke」 9/14 DAY6「Melt Down」 9/21 DAY6「Melt Down」 9/28 DAY6「Melt Down」 □ INKIGAYO 9/1 NMIXX「See that?」 9/8 ZEROBASEONE「GOOD SO BAD」 9/15 なし 9/22 BOYNEXTDOOR「Nice Guy」 9/29 DAY6「HAPPY」 ■ 9月のひとりごと □ ライター 岸野 気づけば本連載「Kどう」も1周年。いつもありがとうございます。多忙だった9月はDAY6の新譜を聴きまくり、自分を鼓舞して乗り越えました。 □ 編集 獅々堀 映画「成功したオタク」配信開始助かります。今年中に観ます。 ■ 岸野恵加 ライター・編集者。コミックナタリー副編集長、音楽ナタリー副編集長を経て2023年にフリーランスとして独立。主に音楽やマンガ、アニメなどのエンタテインメント領域で執筆。2011年生まれ男児と2016年生まれ女児の母。