パ・リーグV3を狙うソフトバンクに死角はないのか?
V3を狙うソフトバンクの評判が高い。キャンプ期間の対外試合の結果は、ペナントレースの成績に決してリンクはしないが、5戦全勝。武田翔太(22)、バンデンハーク(30)、攝津正(33)、中田賢一(33)の4本柱に加え、強力な5番手投手として5年ぶりに凱旋帰国した和田毅(35)が存在感を示す。 6番手には、寺原隼人(32)、千賀滉大(23)、大隣憲司(31)がいて、中継ぎ、抑えも、森唯斗(24)、五十嵐亮太(36)、バリオス(27)、サファテ(34)らが順調で、松坂大輔(35)の入る余地がないほど投手陣に隙はない。 一方打線の方は、昨季、不動の5番打者だったイ・デホがメジャーに流出。オフに右肘手術を行ったトリプルスリー、柳田悠岐(27)が開幕では守備につけず、DHならばギリギリ間に合いそうな状況。死角と言えば死角だが、柳田が守れず空いたセンターのポジションには、上林誠知(20)が強烈アピール、ここ数年、足首の故障に泣かされてきた長谷川勇也(31)も、やっとキャンプの全メニューを消化できるまでに復活してきた。かつてシーズン198本のヒットを打った男が、昨季はわずか30試合出場に終わっているが、今季は大幅に試合出場が増えそうで、一塁には内川聖一(33)がコンバートの準備をしている。 では、本当にソフトバンクに死角はないのだろうか。 ソフトバンクをカバーしている評論家の池田親興氏は、「チームは選手層が厚く、競争があるので空いたポジションには、チャンスを待っていた選手や若手がなだれこんでくる。イ・デホがいなくなったが、他球団ならクリーンナップを打っていてもおかしくなかったカニザレスがファームにいる。あえて死角をいうならば私はキャッチャーのポジションだと思う。いわゆる正捕手が不在」と、指摘した。 昨季のスタメンマスクは、高谷裕亮(34)が57試合、鶴岡慎也(34)が45試合、ベテランの細川亨(36)が39試合、斐紹(あやつぐ)(23)が1試合となっている。開幕は鶴岡だったが、相手、味方ピッチャーとの相性や調子を見極めながら工藤監督がやりくりした。しかし、高谷は打率.175、1本、16打点、鶴岡も打率.195、1本、9打点、細川は打率.116、5打点と低迷した。 チームの打撃成績は、打率.267、打点619、本塁打141とすべてが12球団のトップで、シーズン90勝する中で、捕手陣の打撃低迷は目立たなかったが、実は最強ソフトバンク打線における唯一の“穴”となっていた。