消えていく「ミス〇〇〇」。未婚女性がご当地PR、既婚者や男性に門戸開き名称も変えたが…鹿児島市が半世紀の歴史に幕
1977(昭和52)年に「ミス鹿児島」として始まり、鹿児島市の魅力を県内外にアピールしてきた「かごしま親善大使」が今年のおはら祭で活動に終止符を打った。最後の大使となった上田尚佳さん(29)と小田原千裕さん(22)は「自分の言葉で鹿児島の良さを伝えようと努めた」と任期の2年間を振り返った。 【写真】〈別カット〉最後のかごしま親善大使を務めた小田原千裕さん(左)と上田尚佳さん
鹿児島観光コンベンション協会によると、47年間でミス鹿児島28代84人、親善大使18代47人の計131人が務めた。渋谷おはら祭や鹿児島デーなど、主に県外のイベントで観光誘致や特産品PRを担ってきた。 2005年に市から協会に引き継がれ、名称を親善大使に変更。同年に未婚女性、15年に性別の要件を廃止し、既婚女性や男性の応募もあったが、任命はいずれもゼロだった。多い時は80人超いた応募者が22年は20人にまで減少。PRイベントも少なくなったことから昨年2月、募集停止を発表していた。 最後の舞台のおはら祭は2、3日あった。任期を終えた上田さんは「最後になると分かってから『もうはやらない』『時代遅れ』という声を耳にした。何のための親善大使か日々考え、鹿児島弁を交えたりして印象に残る伝え方を工夫した」。小田原さんは「体験しないと話せないことがあると思い、いろんなことに挑戦し、ノートにまとめた。特産品とともに人の思いも伝えたかった」と振り返った。
協会の岩崎真吾DMO戦略課長は「長きにわたって鹿児島の魅力を紹介してもらった。イベントが減り、大使が活躍する場も減ってきた。今後はデジタルを活用して効果的なプロモーションを強化していく」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島