韓国「戒厳事態」1カ月、深刻化する経済への打撃…失われた時価総額80兆ウォン
【01月09日 KOREA WAVE】韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領による「非常戒厳」宣布から1カ月が経過し、韓国経済は大きな影響を受けている。この間、政治的不確実性が続く中、株式市場で約83兆ウォンの時価総額が失われ、外国人投資家の国債保有額も3兆ウォン減少するなど、経済指標に深刻な悪化が見られる。 昨年12月3日時点のコスピ指数は2500.10だったが、戒厳後の同30日には2399.49と4.02%の下落を記録。これにより失われた時価総額は82兆9322億ウォンにのぼる。今月7日には米国の半導体市場の好調により2492.10まで回復したが、依然として戒厳前の水準には届いていない。 また、国債市場では、昨年12月の外国人投資家による国債先物(3~30年物)売却額が18兆7131億ウォンに達し、2021年9月以来最大の規模となった。さらに、ドル・ウォン為替相場は戒厳直後に1ドル=1430ウォン台を記録し、国会での首相弾劾訴追案可決後は1480ウォンにまで下落。その後も1450ウォン台を上下する不安定な状況が続いている。 12月末時点の韓国の外貨準備高は4156億ドルで前月比2億1000万ドル増加したが、これは市場介入の影響と見られ、増加幅は5年ぶりに最も小さい水準にとどまった。 政治的不安定さは消費心理にも影響を与えている。統計庁によると、12月第2週の全国クレジットカード利用額は前年同期比3.1%減少。特に、娯楽・スポーツや文化関連の支出は7.4%、宿泊サービスは7.1%、飲食サービスは4.5%の減少を記録した。 消費者心理指数(CCSI)は88.4で、前月比12.3ポイント低下。この下落幅は、新型コロナウイルスの感染拡大初期である2020年3月以来最大だ。 専門家らは、政治的混乱が長引けば金融市場での株価下落や為替の悪化が進み、外貨危機が発生するリスクが高まると警鐘を鳴らしている。また、実体経済への影響として、消費や投資の縮小による金融機関の不良債権の増加や金融危機の可能性も指摘されている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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