能登半島地震から半年…石川県輪島市 想いを紡ぐイタリア料理店
能登半島地震の発生から6カ月が過ぎ、被災地では少しずつ営業を再開する飲食店が出てきている。こうした中、能登に惚れ込み広島から移住した男性が営むイタリア料理店が輪島市にある。地震の被害を受けながらも前を向き、地震から5カ月で店を再開した男性の思いに迫った。 【画像】営業再開した輪島の店
能登半島地震から半年…営業再開した輪島のイタリア料理店
地震の爪痕が色濃く残る輪島市河井町。この町で約半年ぶりに営業を再開したのが、イタリア料理店『アユート輪島』だ。明るい雰囲気の店内には一見すると地震による被害が見受けられない。 店主の村井宏治さん曰く、建物の被害はほとんどなかったが、店内は酒のびんや食器、厨房の機器など、あらゆるものが倒れ、長期の休業を余儀なくされたという。
店の再開に向け奮起 そこには輪島への思いが
地震発生当時は先のことをなかなか考えることができなかったという村井さん。それでも「やるしかない」と気持ちを奮い立たせ、厨房の機器を新しいものに入れ替えて、6月の営業再開にこぎつけた。そこには輪島の街が好きだという強い思いがあった。
能登の食材と環境にほれ込み広島から移住
村井さんは広島県出身。故郷でも予約が取れないほど人気のイタリア料理店を営んでいたが、能登の食材と自然にほれ込み、2012年に輪島市に移住した。 村井さん: (輪島は)やはりこのゆったりとした環境がいい。自然も豊かで、料理を作っている身として魅力的な場所だと思う。朝市など、生産者と距離が近いのもいい。
地元・能登の食材で作るイタリアンとは…
前菜は季節の地物野菜をふんだんに使ったマリネ。魚介は輪島のサザエと能登町宇出津のタチウオが使われている。器も輪島塗で、地域とのつながりを大切にした一皿に仕上げた。村井さんは「輪島は、魚介類はもちろん野菜もすごくおいしい」と話す。 続いて、村井さんが最も得意としているパスタ料理。この日はフグと地物野菜のパスタを作っていただいた。仕上げにフグの子をふりかけた、こちらも能登尽くしの一品だ。 今後について村井さんは「以前の日常のように、料理を囲んでみんなで笑顔になってもらいたい。徐々に元気になっていけばいいかなと思っている」と力強く話し、前を見据えていた。 アユート輪島 石川県輪島市河井町3-158-1 TEL:0768-23-4266 営業時間:午後6時~深夜0時(L.O.午後10時) 定休日:火・水・木 ※2024年7月1日時点の情報です。 (石川テレビ)
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