能登復興へ希望託す大作 穴水高書道ガールズ 白山で展示
穴水高書道部の女子生徒でつくる「穴高書道ガールズ」は、能登半島地震と豪雨被害からの早期復興を祈ってしたためた書の大作を白山市社会福祉協議会に贈った。9月に開かれた市福祉健康まつりで披露した書道パフォーマンス作品で、中央に赤色の字で「希望」の「希」が大書された。書は協議会が入る市福祉ふれあいセンターに12月末まで展示し、センターに集う被災者や市民に能登を思う気持ちを育んでもらう。 書は縦3・6メートル、横5・4メートルの用紙に「一歩ずつ前を向いて歩こう」「頑張らんけ 能登半島!」と墨で書かれ、赤色の「希」が存在感を放つ。用紙の背景に能登半島の形や虹がデザインされ、海や空を思わせる水色が全面を覆っている。 書道ガールズの5人は市福祉健康まつりで床に置いた紙の上に乗り、音楽に合わせて踊りながら大きな筆を操った。真っ白な紙の縦横に字が書かれ、書の大作が完成すると、大きな歓声が上がった。 白山市社会福祉協議会は地震後、市内に避難し、みなし仮設住宅で暮らす被災者への訪問活動を行ったり、避難者同士がコミュニケーションを図れるよう福祉ふれあいセンターでカフェなどの集まりを開催したりしている。書道ガールズの書を1日から1階ロビーに展示すると、多くの利用者が足を止めて見入り、中には感動して涙ぐむ人もいるという。 館内の子育て支援センターを孫と一緒に利用している徳用真澄さん(56)=白山市博労町=は「福井沖で女性の遺体が見つかったという話題で悲しくなっていたが、書は前向きなエネルギーが満ちていて元気をもらえる」と話した。 書の大作の近くには、福祉健康まつりで募った寄せ書きも飾られている。書道ガールズによる「能登とともに!」の文字の周りには、出演した「陸自の歌姫」の鶫(つぐみ)真衣さんや市民が書いた能登へのエールの言葉でびっしり埋まっている。